第四十八話 新たなる来訪者
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ような刀では当たらなければ意味がない」
そう言ってまた笑った。
「今からそれを見せてしんぜよう。さあ参るがよい」
「ならば」
ゼンガーはそれに頷き剣を構えた。示現流の構えである。
「行くぞ」
「来い」
ゼンガーは無言で走った。そしてその剣を思い切り振り下ろす。
「チェストオオオオオオオオーーーーーーーーーーーッ!」
示現流の掛け声であった。それで袈裟斬りにするつもりであった。
「ふ」
しかしそれを前にしてもククルは笑っていた。そのマガルガに剣が吸い込まれていった。
「ククル様!」
「やったか!」
両軍それを見て互いに声をあげる。邪魔大王国のそれは悲鳴に近く、ロンド=ベルのそれは歓声に近かった。だがそれは一瞬にして逆転した。
「ムッ!?」
「ふふふふふ」
ククルはまだ笑っていた。何とゼンガーの剣が彼女のマガルガの身体をすり抜けていたのだ。
「これは一体」
「そなたも剣の道を極めんとしているのなら知っていよう」
「まさか」
「そう、そのまさかよ」
ククルは自信に満ちた声と笑みを以って言った。ジョルジュがそれに対して言った。
「見切りですね」
「その通り」
ククルはそれに頷いた。
「そなたも会得しておったな、確か」
「ムッ」
「そなたに出来るものならばわらわにもできる。それだけだ」
「おい、馬鹿言ってるんじゃないよ」
サイシーがそれに反論する。
「あんな技がそう簡単に会得できるものかよ」
「俺だってフットワークには気を使ってるんだぜ。それでもまだまだだってのによ」
「いや、認めたくはないがこれは事実だ」
「アルゴの旦那」
「おいおい、敵の肩を持つってのかよ。御前さんらしくないぜ」
「いや、それは違うよ」
不平を言う二人に対してアレンビーがこう言った。
「あのお姉さん多分影でずっと努力してきたのよ」
「努力」
「そうよ。そうじゃなきゃあんな技とても身に着けられないわよ。それはわかるでしょ?」
「アドモアゼル=アレンビーの言う通りですね」
ジョルジョがそれに頷いた。
「おそらく彼女も影で鍛錬を積んでいたのでしょう。あの自信こそその証」
「まさか」
「努力がどのようなものかは知らぬが」
ククルの言葉には確かにその自信があった。
「わらわのこの見切りは確かなもの。それではゼンガーよ」
「ムッ」
「また来るか?そしてわらわの強さを知ってから地獄に行くか?どうするのじゃ」
「どうするもこうするもない」
やはり彼はゼンガー=ゾンバルトであった。毅然としてこう言い切った。
「我が名はゼンガ=ゾンバルト」
言葉を続ける。
「悪を絶つ剣。ならば見切りがあろうとも貴様を切れる!」
「ならば見せてみるがいい」
ククルはまだ笑っていた。
「わらわ
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