第四十八話 新たなる来訪者
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
イロットだったんだ」
「陸軍か」
しかしトッドは陸軍と聞いてその顔を暗くさせた。
「まああそこはな。身体だけだからな」
「あれ、あんた陸軍は嫌いなのかい?」
「確かアメリカ空軍は陸軍から生まれたのではなかったのか?」
「よく知ってるな、ヤンロンの旦那」
「勿論だ。アメリカ空軍は第二次世界大戦の頃はまだなかった」
「へえ、そうだったんだ」
リューネがそれを聞いて思わず声をあげた。
「てっきりその前からあると思ってたけれど」
「それまではアメリカ陸軍航空隊だった。空軍ができたのは朝鮮戦争前だ」
「その通りさ」
トッドはそれに頷いた。
「俺達はアメリカ軍じゃ新参者だったのさ。陸軍から出たがそれで結構あっちからは言われてたな」
「何て?」
「陸軍の旦那達が穴や密林の中で必死に野宿してる時に俺達は優雅に隊舎のベッドで寝てるってな。わざわざ教本にまで書いていてくれたな」
「そうだったんだ」
「何か俺の国のかっての陸軍と海軍みたいだな」
「程度の差こそあるけどな」
ショウに対してもそう言った。
「どの国でも軍はそれぞれ仲が悪いものさ。何処も同じだよ」
「自衛隊はそうでもなかったけれどな」
タダナオはそれを聞いて呟いた。彼はもう分厚いステーキを口にしていた。
「御前さんとこはまた別だ」
トッドはそれに対してこう言った。
「別!?」
「自衛隊か?まあ日本軍だな」
「ああ」
「士官学校は三軍同じだろ?最初に同じ釜で焼いたパンを食ってると違うものさ」
「パンじゃないけどな」
「それはいいさ。けどそこにあるんだよ」
「そういうものか」
「おまけに自衛隊はそれぞれで結構付き合いがあるだろ?うちはあまりそうしたのがなかったんだよ」
「へえ」
「じゃあピートのことも知らなかったんだな」
「ああ」
ニーの問いに頷いた。
「全然な。同じパイロットでもな」
「そういうものか」
「そうだな。海兵隊は俺達にとっちゃ別世界だった」
「どんなのだと思っていたんだ?」
「それはな」
ショウの言葉を聞いてまずは辺りを見回した。
「ピートの奴はいねえな」
「大空魔竜にいるみたいよ」
キーンが言った。
「じゃあいい。あそこは怪物だ」
「怪物」
「俺達は結構陸軍の連中に馬鹿にされててな。ベッドのこと以外にも机で勉強だけしてりゃいいってな」
「ああ」
「やっぱり陸軍は身体使うんだよ。ところがその陸軍でも奴等にかかれば」
「お嬢さんなのだな」
「よく知ってるな」
「アメリカ海兵隊のことは聞いている」
ヤンロンはまた言った。
「信じられない程激しい訓練を受けていたのだったな」
「それこそ死ぬようなな。ヤンロンの旦那の言う通りさ」
彼はまた言った。
「あんなとこまともな奴じゃやって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ