第四十八話 新たなる来訪者
[3/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
えばそうだったね」
「何か水泳より柔道か何かみたいな感じはするけどな」
「柔道は好きではないと聞いた」
ヤンロンはマサキにも言った。
「格闘技は性に合わないらしい」
「あの体格と腕力で」
「ゲンちゃんって意外と優しくて繊細なのよ」
「まさか」
リューネはミオの言葉に顔を顰めさせた。
「あれで」
「実はね、絶対に人を殺せないし」
「そうだったんだ」
「よく見ていればわかるよ。敵でも絶対に急所を外して逃げられるようにしてるしプレシアにも怒るだけで殴ったりなんかしてないし」
「そういえば」
見ればその通りであった。ゲンナジーはプレシアを怒ってはいても決して手をあげたりはしていなかった。
「もう一回!」
「はい!」
見ればプレシアも乗ってきていた。すっかり懐かしのスポ根漫画の世界であった。
「まだだ!」
「何の!」
「そんなゲンちゃんだから。格闘技は好きじゃないのよ」
「何かねえ、本当に意外だね」
「しかし御前よくそんなのわかるな」
「当然よ」
ミオは胸を張ってマサキにそう答えた。
「私はゲンちゃんの相方なんだから。知っていて当然でしょ」
「・・・・・・何時から相方になったのだ?」
「最初にここに来た時に」
「そうだったのか」
ヤンロンはそれを聞いて首を傾げさせた。
「僕ははじめて知ったが」
「誰にも知られないうちに進むのがザムジード」
「ちょっと違うんじゃねえのか?」
「まあ小さなことは気にしない気にしない」
「そんなモンかよ」
彼等が話をしている間にもプレシアは修業を続けていた。そしてこの日は終わった。
「はああ」
グランガランに帰るとプレシアは疲れたように大きく息を吐き出した。
「やっと終わったあ」
「お疲れさん」
そんな彼女をリューネが出迎えた。
「もう夕食はできてるよ」
「そうなの?」
「私が作ったのよ」
「マーベルさん」
見ればマーベルがそこにいた。
「西部の料理をね。作ったから」
「といってもステーキとマッシュポテト、茹で豆だけれどな。まあ西部だとこんなものだろな」
「トッド、不満かしら」
「別に」
彼はいささかシニカルな笑みで彼女に応えた。
「西部のイモ料理も案外嫌いじゃないからな」
「少なくとも私は東部のダイエットメニューは好みじゃないから」
「ヘッ、言ってくれるねえ」
トッドはそれを聞いてまたシニカルに笑った。
「そういうあんたも結構ワイルドなの食べるじゃない」
「おっ、言ってくれるな」
トッドはベッキーに顔を向けた。
「空軍ってのは体力使うんでな。食わなきゃやっていけないんだよ」
「パイロットは特にそうらしいね」
「よくわかってんじゃねえか」
「あたしの何人か前の彼氏がそうだったからね。陸軍のヘリパ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ