第四十八話 新たなる来訪者
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の見切りを破る技をな」
「では見せよう」
ゼンガーは構えた。
「斬艦刀」
「それはわらわには最早効かぬぞ」
「斬艦刀は一つではない」
だが彼は言った。
「まだある。では見せよう」
そう言いながらその剣を動かす。
「大車輪!これならどうだっ!」
「なっ!」
「チェストオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーッ!」
また叫んだ。そして激しい剣技を繰り出す。それは乱れ飛びククルに向かって来た。
「ふ、無駄なことを」
しかしそれを見ても彼女はまだ余裕であった。その余裕で以って見切りを発動させようとする。
だがそれは適わなかった。ゼンガーの剣技はそのククルの見切りをも凌駕するものであったのだ。
「何とっ!」
叫んだ。その瞬間であった。
マガルガの左脚が断ち切られた。見切りが通じなかったのである。
「クッ!」
「これでどうだ」
ゼンガーは勝ち誇るわけでもなく一言そう言った。
「これが我が剣だ。我が剣の前には邪悪なる者は負ける宿命なのだ」
「わらわが邪悪だと言いたいのか」
「そうだ」
彼はまた言い切った。
「貴様の目は赤く光っている」
「それがどうした」
「その目が何よりの証拠。今の貴様は本来の貴様ではない」
「本来のわらわ!?」
「そうだ。よく考えてみろ」
彼は言葉を返した。
「御前は本当に邪魔大王国の者なのか」
「何を世迷言を」
「その顔、その姿。決してハニワ幻人なぞではない」
「わらわはヒミカの娘」
ククルはそれを否定するかのように言った。
「それが何よりの証拠よ」
「そうか」
「まだ言うか」
「いや」
だがゼンガーはそれには首を横に振った。
「俺が言うのはここまでだ。後は貴様自身で確かめるがいい」
「ふざけたことを」
「今回の勝負は預けておく。また来るがいい」
「何のつもりかは知らぬが」
ククルはその目を憎悪に歪めさせながら言った。
「わらわを逃がしたこと、後悔するぞ」
「俺の人生に後悔の二文字はない」
「ほざけ。では行くぞ」
「ハッ」
ククルはハニワ幻人の残存戦力を引き連れて戦場を離脱した。こうしてラ=ギアスでのロンド=ベルと邪魔大王国の戦いは終わった。しかしその後には一つ大きな謎が残されていた。
「そういえば前から気になっていた」
サコンがそう呟いた。
「ククルの姿、邪魔大王国の者のそれじゃない」
「そうだな」
ピートがそれに頷く。
「化け物じみてはいない。むしろ俺達のそれに近い」
「近いというより同じだな」
「同じか」
「ああ」
サコンはそれに応えて言った。
「全く同じだ。むしろかなり優れている部類だ」
「あの見切りか」
「それだけじゃない。他の能力もだ」
彼はまた言った。
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