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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第四十七話 帰って来た男達
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さを含んだ声でそう述べた。
「そうじゃないのか。違うとは思わないが」
「そうですね」
 アキトはそう言われて頷いた。
「今の俺じゃあいつには」
「それがわかってるのならいい」
「京四郎」
「一矢、だから御前は甘いんだ」
 京四郎はとがめようとする一矢に対しても言った。
「こういったことははっきりと言っておいた方がいいんだ」
「しかし」
「それじゃあ御前はアキトに何かあってもいいのか?そうなってからでは遅いんだ」
「そうか」
「そうだ。御前じゃ言えないこともある。だが俺は違う」
 京四郎はその言葉をさらにクールなものにさせた。
「アキト、御前さんのエステバリスにも限界があるのかも知れん」
「エステバリスにも」
「そこいらも考えてみるんだな。何もエステバリスにこだわるばかりでもない」
「はい」
「戦争ってのは生き死にだ。それを忘れるなよ。相手が死ぬか、自分が死ぬか、だ」
「そうでしたね」
「生き残る為には自分を知ることだ。いいな」
「わかりました」
 そうしたやりとりの後でアキトはトレーニングルームから姿を消した。そして後には一矢と京四郎が残ったがその二人もそこから姿を消した。そして二人はそのまま廊下に出た。
「一矢」
 京四郎は歩きながら横にいる一矢に声をかけてきた。
「何だ」
「俺を冷たいと思うか」
 彼はサングラスの奥のその目で一矢を見ながら問うてきた。
「どう思う」
「少なくとも俺はそうは思わない」
 一矢はそう答えた。
「冷たかったらそもそも言葉もかけたりはしないだろう」
「そうか」
「御前は純粋にアキト君の為を思って言ったんじゃないのか」
「御前はそう思うか」
「そう思えるんだが違うのか」
「さて、どうかな」
 だが彼は不敵に笑って答えをはぐらかしてきた。
「生憎俺はこんな男だからな。何を考えているかはわからないぞ」
「素直じゃないのはわかっているつもりだが」
「さてな、それもどうかな」
 そこで自分の部屋の前に来た。京四郎はそこに入った。入る時にまた言った。
「御前もだ。あまり焦るなよ」
「焦るな、か」
「そうだ。そして周りをよく見ろ。俺の言いたいのはそれだ」
「わかった。じゃあそうさせてもらうよ」
「それが出来ればな。無鉄砲さは誰に似たのか」
 そう言いながら部屋に消えた。一矢は一人となった。
「無鉄砲か」
 京四郎の言いたいことはわかっている。だが彼はそれでも忘れられないものがあったのだ。
「エリカ」
 彼はその名を呟いた。
「今君はどうしているんだ」
 それを思うだけで胸が一杯になる。そして他のことが考えられなくなく。例え誰に言われようとも。
 彼もまた自分の部屋に入った。丁度京四郎の部屋の向かいであった。
 そこにある写真を見る。
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