第四十七話 帰って来た男達
[12/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
わかりました。それでは」
「うむ。ところで戦局だが」
「はい」
彼等はここで話を今行われている戦いに移した。
「我々にとって不利になってきているな」
「如何されますか」
「一旦退くとしよう。今は無理をする時ではない。わかりました。それでは」
副長はそれに従い命令を出した。それに従いティターンズのモビルスーツ達は次々と後退していった。
「むっ」
その命令はレコアの許にも届いていた。彼女はそれを受けてまずはエマから離れた。
そして最後に拡散ビーム砲を放つ。エマはそれをかわすのに専念しなければならなかった。
エマが戸惑っている間に撤退に移った。エマが態勢を立て直した時にはもう彼女は消えていた。
「行ったわね」
「レコアさん」
カツもそれを見て彼女を気遣う声を出した。
「何時までああしてるんでしょう」
「それはわからないわ」
それに対するエマの返答は要領を得ているとは言い難かった。だがそれでも意味は通じた。
「私達には。全部彼女の問題だから」
「レコアさんの」
「そうよ。けれどこのままではどうにもならないことは彼女が一番わかっている筈」
その言葉は厳しいものであった。
「それでもどうしようもないのかもしれないけれど」
「そうなんですか」
サラも戦場を離脱していた。カミーユはゼータツーをウェイブライダーに変形させて追撃しようとするがそれはフォウに止められてしまった。
「駄目よ、カミーユ」
「どうして」
「追うと・・・・・・死ぬわ」
「死ぬ・・・・・・どうしてなんだい」
「シロッコが。貴方を狙っているわ」
「!?」
その時彼は感じた。シロッコのプレッシャーを。それは確かに彼に向けられていた。
「どうしても行くというのなら止めないけれど。けれどその時は私も一緒よ」
「・・・・・・わかった」
彼はそう言われて頷いた。
「じゃあ今は止めておこう。それでいいんだね」
「ええ」
フォウもそれに頷いた。こうして彼は追撃を止めてその場に留まった。戦いは終わりティターンズは何処かに撤退してしまった。ロンド=ベルの勝利ということになった。
だがロンド=ベルの面々はそれを素直に喜ぶことはできなかった。特にニュータイプと言われている者達は。彼等は皆不機嫌な顔をして塞ぎ込んでいた。
「一体どうしたってんだよ」
勝平はそんな彼等を見て声を出さずにはいられなかった。
「勝ったんだろ。もっと喜んでもいいじゃねえか」
「御前本っ当に何もわかっていないんだな」
宇宙太はそんな彼を見ていつもの呆れ顔を作った。
「シロッコを見て何にも思わねえのかよ」
「思うって何をだよ」
だがやはり彼は何もわかってはいなかった。
「あんなキザな白服野郎。ガイゾックなんかと比べたらヒョロヒョロだぜ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ