第四十六話 狂った錬金術士
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だろ」
「それはそうだけれどな。しかし」
「しかし、何だ?」
「御前あのロザリーって娘どう思う?」
「何だ!?ホレたか!?」
「違うよ。生憎今一つタイプじゃなくてな」
「おやおや」
「赤い髪の女の子には昔ふられたことがあってな。それからどうも」
「ミレーヌちゃんはいいのかよ」
「あの娘はピンクだろ。また違うさ」
「どっちも似たようなもんだろうに」
「それが違うんだよ。それがわからないから御前は駄目なんだよ」
「どのみち俺は年下にはあまり興味がないけれどな。それでそのロザリーだがどうしたんだ?」
「おかしいと思わないか?何か」
「そう言われてもなあ」
タダナオはオザワのその言葉に首を傾げさせた。
「何処かどうおかしいのか。まずはそれを言ってくれよ」
「言わなくてもわかるのが本当のプレイボーイだと前言ってなかったか?」
「無茶言うな。いきなり言われてわかるか」
「どうやら本当のプレイボーイじゃないみたいだな」
「ごたくはいい。それでどうおかしいんだ?」
少し苛ついてそう言い返した。
「俺は特におかしいとは思わないけれどな」
「目だ」
オザワはそう言った。
「目!?」
「そうだ。彼女がシュメルさんを見る目だ。おかしいとは思わないか?」
「俺は別に」
腕を組み考えながらそう述べた。
「おかしいとは思わないけれどな」
「そうか。しかし僕は違う」
「どう違うんだよ」
「何かね、フィアンセと言ってる割には目の色が違うんだ」
「そうかねえ」
「普通押し掛けてまでフィアンセというからには愛している筈だよな」
「当然だろう?そんなこと」
今更何を言っているのかとさえ思った。
「恋愛小説や少女漫画の基本だぜ、それは」
「御前もそう思うか。だが彼女の目は違う」
「どう違うんだよ」
「何かな、憎しみを感じるんだ」
「憎しみ!?」
タダナオはそれを聞いてさらに首を傾げさせた。
「また訳のわからねえこと言うな、おい」
「どう訳がわからないんだ?」
オザワも反論してきた。
「あのな、押し掛けフィアンセだぞ。押し掛け」
「押し掛け押し掛けしつこいがまあいいだろう」
「それでどうして憎しみなんてあるんだ!?どう考えてもおかしいだろ」
「普通に考えればな」
「普通じゃないっていうのかよ」
「よく考えてみろ。ロザリーはバゴニアの人間だな」
「ああ」
タダナオはそれに頷いた。
「そう、バゴニアだ。ではゼツと関係があるとは考えないか?」
「まさか」
タダナオは首を横に振った。
「そんなこと有り得ねえだろうが」
「断言できるか?」
「うっ」
しかしオザワにそう言われかえって黙り込む羽目になってしまった。
「言えないだろう。スパイである可能性は否定できない」
「し
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