第四十六話 狂った錬金術士
[6/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たらマジでえらいことになるな」
「そうね。だから私達がここにいるのだし」
テュッティがそれに頷く。
「何とかしなくちゃ駄目よ。マサキ、それはわかってるわね」
「わかってるけどよ」
それでもマサキは何か言いたそうであった。
「何かあるの?」
「テュッティ、さっきから紅茶に角砂糖何個入れてるんだよ。もう十個だぜ」
「あら、それが普通よ」
「普通じゃねえだろ、そんなの」
「けれど美味しいわよ」
「美味いまずいの問題じゃなくてな」
とりあえずはシュメルに関する話は終わった。彼等は甘いものの話に転じた。そして夜になっていった。
ラ=ギアスの夜は地上の夜とは違う。太陽は昇ったり沈んだりするのではなく、出たり消えたりするのである。月もまた同じである。タダナオとオザワはそれを大空魔竜の下から見ていた。
「何か久し振りに見るとあらためて驚くな」
「ああ」
二人はそのラ=ギアスの夜空を眺めながら話をしていた。
「最初見た時はもっと驚いたものだが」
「御前もか」
「驚かない筈がないだろ?」
オザワはタダナオにそう言葉を返した。
「いきなりここに来てだ。それで太陽が昇ったり降りたりしないんだからな」
「それは俺もだ」
タダナオは相槌を打った。
「全くな。何て場所だと思ったよ」
「それで魔装機に乗せられてな。しかも僕と御前は敵同士だった」
「ほんの少し前のことなのにもうかなり昔のようだな」
「あの戦いもな。夢のようだった」
「それでそのシュテドニアスだがな」
「ああ」
「一体どうなったんだ?あれだけ派手に負けちゃ後がかなり大変だろう」
「強硬派は失脚したらしいな」
「まあそうだろうな」
「そして元々議会で主流を占めていた穏健派が中心になって国の建て直しにあたっている。ゾラウシャルドも落選したよ」
「あいつも失脚したのか。当然だな」
タダナオはそれに頷いた。
「シュテドニアスも選挙があるからな。戦争に負ければ当然だな」
「そうだな。しかしそれでロボトニー元帥が大統領になったのは意外だったな」
「ロボトニー元帥?ああ、あの人か」
名前を聞いてすぐには思い出せなかった。だがタダナオはそれに関して何も思わなかった。
「シュテドニアス軍の良識派で重鎮でもある」
「軍人だけれど軍事の知識だけじゃない。幅広い視野を持つ人だぜ」
「よく知ってるな」
「当たり前だろ」
彼はそう言って笑った。
「シュテドニアス軍にいたんだからな、僕は」
「そういやそうだったな」
「・・・・・・ってさっき話しただろうに」
「人間忘れることもあるさ」
「しょっちゅうだろうが、それは」
「まあ気にしない気にしない」
「連邦軍にた頃から全然変わってないな、本当に」
「そうそう急に変わったらかえって怖い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ