第四十六話 狂った錬金術士
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から何も聞いてはいなかったのか」
「生憎な。まだこっちにも慣れちゃいなかったしな」
「そうだったのか」
「おめえに言われたのが最初だな。詳しいことは」
「なら仕方がないか」
「だがそれにしてもどうかと思うがな」
ヤンロンがそれに付け加える。
「プレセアからは何も聞いてはいなかったのか」
「わたしもパパからはあまり聞いてはいないんです」
プレセアはヤンロンにそう答えた。
「パパおうちじゃお仕事のこととか全然話さなかったから。わたしもファングさんのお話聞いてびっくりしてます」
「そうだったか」
「あの人家じゃ冴えないおじさんだったからね」
ベッキーがここで言った。
「宮廷でもどこかぼんやりしてたし。伝説的な剣皇って言われてもどこかピンとこなかったよ」
「俺はそうではなかったがな」
だがアハマドは違っていた様である。
「あの気・・・・・・。明らかに只者ではなかった」
「そうなの」
「かなりの腕の持ち主だと思った。そしてその通りだった」
「アハマドはずっと戦いの中に生きてきたからね」
シモーヌが口元にうっすらとした笑みを浮かべてそう述べる。
「だからわかるんだろうね」
「何か私とは全然違いますね」
「どっちかっていうとデメクサに近かったね、普段は」
ベッキーはデメクサが口を開くとそう言った。
「そういえば似ておるな、雰囲気といい」
チェアンもそれに同意する。
「もっとも拙僧もあの御仁は最初は単なる貴族か何かかと思っておったが」
「チェアンはまた煩悩が強過ぎてわからなかったんじゃないの?」
「シモーヌ、言ってくれるな」
「あんたはね。まあそこがいいところなんだけれど」
「いいところなのかなあ、それって」
それを聞いて呆れずにはいられないプレセアであった。
「けれどあのシュメルって人も普段は静かな人みたいだね」
話が一段落したのも束の間ふとリューネがそう言った。
「絵なんか描いてさ。ちょっと見じゃ剣を使うなんてわからないよ」
「それでも昔はホンットに凄かったんだから」
セニアがそれに答える。
「その時あたしはまだほんの子供だったけれど。ゼオルートとの試合見て感激したわ」
「それで次の日から棒振り回したんだね」
「ウッ、何でそれ知ってるの?」
リューネに言われギクッとした顔になる。
「ウェンディさんから聞いたよ。それでテリウスの頭殴って泣かしたそうじゃない」
「子供の頃の話よ、それ」
「まああたしも子供の頃は結構暴れたからね、気持ちはわかるよ」
「そうそう、女の子が元気でなくちゃ」
「けどそれが姫さんだと問題だろ?」
マサキはそれを聞いてぼやいた。
「テリウスも災難だな」
「マサキ、何か言った!?」
「いや、何も。けどそんな人がゼツなんかの手に渡っ
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