第四十六話 狂った錬金術士
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女性関係についても聞きませんしそういった面では問題はありません」
「ただ頭がおかしいだけか」
「結果としてそういうことになりますね」
「何かわかり易いわね」
トッドの横にいたマーベルがそれを聞いて呟いた。
「所謂マッドサイエンティストってやつだな」
「ショウ、古い言葉を知ってるわね」
「それ以外に適当な言葉を思い付かなかったんでね」
ショウはマーベルにそう返した。
「けれど間違ってはいないだろう?」
「そうですね」
ウェンディもそれを認めた。
「科学と錬金術の違いはありますが大体において同じです」
「じゃあゼツはその研究に狂ったということか」
「若い頃からそうした錬金術士の倫理には問題があったと聞いています」
「やっぱりな」
ショウはそれに頷いた。
「そして人を実験材料にしたのです。その脳を取り出して」
「いかれてやがるな」
「それで何をしたのですか?」
「そこからコンピューターを作ろうとしたのです。生体コンピューターを」
「そうしたものは案外あるのじゃないかしら」
マーベルはそれを聞いてふと呟いた。
「色々な方法はあるにしろ」
「そうですね。問題はそれが生きた人間のものを取り出したことであり、それで大量破壊兵器を作ろうとしたことなのです」
「だからか。ラングランを追放されたのは」
「はい。そして今も剣聖シュメルを狙っているようですが」
「どうせ碌なことじゃねえな」
「それにより彼が恐るべき兵器を開発したならばラングランにとって大きな災いになります。それだけは防がなくてはなりません」
「そうでなきゃここにまた来た意味はないか」
「そうね」
「シュウに言われた時は何でまた、なんて思っちまったけどな。こうなりゃ仕方がねえ」
「協力してくれますか」
「協力も何も仕方ねえだろ」
トッドはまた仕方ないという言葉を使った。だがその顔はそうした感じではなかった。
「戦友なんだからよ」
「戦友」
「そうよ。ウェンディさんもマサキ達も私達にとっては大切な戦友よ。それは変わらないわ」
マーベルも言った。
「俺は正直何か強制的な感じで反発もないわけじゃないけどな。それでもそれが聖戦士の務めならやってやるさ」
「ショウも」
「そういうことだ。ウェンディさんよ、安心しな」
「はい」
あらためてトッドに言われて頷いた。
「それでは宜しくお願いします」
「おう」
「宜しくね」
聖戦士達とウェンディはそんな話をして絆を固めていた。そしてマサキ達もマサキ達でそれぞれ話をしていた。
「シュメルっておっさんはそんなに強かったのかよ」
「知らなかったのか!?」
「ああ。今はじめて詳しく聞いたぜ」
マサキはファングにそう答えた。
「そんなに凄かったなんてよ」
「ゼオルート先生
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