第四十六話 狂った錬金術士
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か」
ザッシュは今度はマサキに顔を向けた。
「こっちにしか来ねえだろ。シュメルの旦那が狙いなんだからな」
「そうですね」
「とりあえずは守ってりゃいいさ。何か俺の性に合わねえけれどな」
「マサキもやっと戦いというものがわかってきたようだな」
「へっ、お世辞はいらねえぜ」
アハマドにそう返す。
「だがまだほんの少しだけだ」
「それが本音かよ」
「戦いというものは奥が深い。それは覚えておくといい」
何はともあれ戦いは終わった。ロンド=ベルはそれぞれ戦艦に帰投し休息に入ることにした。しかしそこでフェイルから通信が入った。
「殿下から?」
「一体何だろうね」
そんな話をしながらそれぞれの艦橋のモニターに集まる。そしてモニターに姿を現わしているフェイルに注目した。
「よく集まってくれた」
フェイルはまず一同に対してそう述べた。
「どうやら頑張ってくれているようだな。本当に何よりだ」
「まあこっちはそれ程敵も多くありませんしね」
それに万丈が答えた。
「作戦も今までのとは比べて楽ですし。心配はいりません」
「そうなのか」
「それより大変なのはそちらでは?確かバゴニアの主力と戦闘中でしたよね」
「いや、実はそうでもない」
だがフェイルはそれを否定した。
「といいますと」
「我が軍の主力とバゴニア軍の主力は国境を挟んで対峙したままだ。どうやら敵は積極的に攻撃に出るつもりはないらしい」
「そうなのですか」
「そして士気も奮わないようだ。目の前にいる彼等からは積極的に戦おうという意志は見られない」
「バゴニアも実はそれ程ラングランと戦うつもりはないということでしょうか」
「おそらくは。どうやら本気で我が国と戦おうと考えているのはゼツだけらしい」
「彼だけ」
「だが彼もそれはよくわかっている。政府や軍の上層部を洗脳しているらしい」
「それでですか」
「何て酷いことを」
リムルがそれを聞いて顔を顰めさせた。
「だから戦い自体は続いている。対峙したままとはいえな」
「それじゃああの爺さんをやっつけちまえばいいんだな」
豹馬があっけらかんとした調子でそう言った。
「それで万事解決なんじゃねえの?」
「アホ、そんな簡単に話がいくかい」
「全く。それで戦争が終わったら苦労しないわ」
「いえ、案外豹馬さんの言う通りかもしれませんよ」
豹馬の言葉に呆れた十三とちずるだったがそんな二人に対して小介が言った。
「どういうことでごわすか、小介どん」
「今バゴニアは実質的にゼツ博士の独裁体制になっていますね」
「その通りだ」
フェイルはそれに頷いた。
「今バゴニアはゼツの私物といってもいい状況だ。全てが彼の思うがままだ」
「けれどそれは僕達にとって狙い目なのです」
「爺さん一人やっ
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