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SAO─戦士達の物語
GGO編
百五話 観戦者達の不安
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街で他のプレイヤーに話し聞くとかじゃねぇの?」
その言葉に、全員が一斉に首をかしげた。そう言えばそうである。
と、シリカが自信無さげに口を開く。

「もしかすると……てっとり早く大金を稼いで、それを実際に通貨還元してみる……ってことでしょうか?たしか、還元できる最低額がかなり高いって聞いた事有ります……」

シリカの言葉に対して、即座に反応したのはユイだ。

「公式サイトにレートの記載が在るわけでは在りませんが、ネット上の情報によれば還元の最低額はGGOなゲーム内通貨で十万クレジット。対JPY(日本円)のレートは百分の一ですから千円からとなります。登録されているプレイヤーのメールアドレスに電子マネーのチャージ済みコードが送信される形式のようですね……このバレッド・オブ・バレッツと言う大会の優勝賞金は三百万クレジットとなっています。全額還元をした場合、三万円ですね」
サラサラと答えたこの情報。何故そんなに詳しいのかと問いたくなる程詳しい説明だが、簡単な話だ。今調べたのである。超高性能AIたるユイには、このように膨大なネットの海の中に埋もれた情報を高速で検索し、纏め、正確な日本語として言語化出来る能力がある。恐らくその手の能力において、現時点でユイを上回れる人間はまずいない。アスナ達もちょくちょく宿題のレポート作成等を手伝って貰うのだが、それもまたむべなるかなと言った所だろう。
礼を言いながら指先で軽くユイを撫でてやるアスナを横目に微笑みつつ、サチが言った。

「でもその還元システムは、あんまり珍しい物じゃない……よね」
サチの言葉に、リズが頷く。

「電子マネーをコード化して受け渡すとかなら、あたし達も良くやるしね。……お金と言えば……シリカ、あんたこないだ奢ったたい焼き代、早く返しなさいよ」
「ふぐっ……!」
急に話題を振られたシリカが、クッキーをかじった体勢でつんのめるようになる。

「は、はい……」
髪の中から覗く獣耳と、クッキーのせいか先程まで左右にブンブン振られていた尻尾がシュンと下がるのを見て一同が苦笑する。

と、其処にアスナが一言。

「でも、この手のバトルロイヤル形式PvP大会だと普通、一カ所に隠れたままで上位入賞狙いなんて通用しないよね。ALOの中にもそう言う大会は在るけど、ハイドして何分か経つと看破魔法(サーチャー)が寄ってきて居所が分かっちゃう仕様になってるし」
「……それに、りょう兄ちゃんはともかく、お兄ちゃんが他人の戦闘音聞いてじっとしてられるとも思えません……そう言う意味でも、違和感あります」
リーファの一言に残る六人中五人がが納得したようにうーむと唸り、サチが苦笑した。言われてみれば確かにその通りなのだ。まぁ、それをキリトに言えば「俺を何だと(ry」
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