GGO編
百五話 観戦者達の不安
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》、通称《イグシティ》の、キリトとアスナが借りている部屋だ。流石に月二千ユルドの金を払って借りている部屋なだけあって、広い。
南向きの壁一面がガラス張りのこの部屋からはいつでもイグシティの壮麗な姿を眼下に眺める事が出来(まぁ今はモニターを兼ねているその窓一杯にBoBの試合映像を流しているので夜景を眺める事は出来ないが)、その正面には大きめのソファセット。反対側の壁には軽いバーカウンターまでしつらえてある。ちなみに、カウンターの向こうにある酒達はクラインがアルヴヘルムと、ヨツンヘイムまで回って集めてきたもので、物によっては相当美味い一品もあるそうだ。まぁ未成年の彼女達にその価値はよく分からないのだが。
ちなみに、リョウに関しては別である。
「しっかし、アイツらもなんでまたALOからコンバートしてまでこの大会に出ようと思ったのかしら」
首をかしげたリズは、問うような視線をアスナに、正確にはアスナとサチに向ける。
ちなみに今回、キリトとリョウコウが総務省の菊岡から依頼を受け、コンバートした事を知っているのはアスナとサチ、ユイ、リーファだけだ。この場に居る後の三人は事情を知らない。
アスナは一瞬リーファに目を向けたが、彼女の視線から任せる風の雰囲気を感じて口を開く。
「うーん……なんかね、おかしなバイトを引きうけたらしくて……VRMMO……って言うか、《ザ・シード連結体》全体の現状をリサーチ。みたいな。GGOは唯一その中で、通貨還元システムが導入されてるから、選ばれたんだって」
その説明は、先日キリトから受けた説明の受け売りだ。
とはいってもアスナ自身、事情は聞いてもキリトから聞いたことで全てだろうとも思っては居なかった。おそらくは彼が“あえて”口にしなかった部分はあるだろう。彼から事情を聞かされた際、その態度でそれくらいは分かった。
そしてアスナもその部分を“あえて”追求するような事はしなかったのだ。彼がそう言った事をする場合は基本的にしっかり事情が有るし、それが自分を裏切るような物では無い事を、アスナは堅く信じている。
「ふぅん……リョウはなんて?」
「え?うーん……」
と、リズの質問がサチにも飛び、相変わらずの黒髪を揺らして彼女は思い出すように考える仕草を見せる。
とはいっても、サチが受けたリョウの今回の依頼に関する説明と言うと、つい二日ほど前に来た電話一本だけだ。
────
『あぁ、そだ美幸、俺ALOから一回抜けるわ。ちょっと用事あるんでな。コンバートする』
『あ、うん……えぇ!?』
『まぁ、二、三日すりゃもどっから。永久退場する訳じゃねぇってことで、居なくなっても騒いだりすんなよ?』
『え、うん……あの、でもなんで?』
『ん?あー、総務省のお役人から依頼でな。《ネクサス》全
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