東方
国譲り編
第十一話
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ちょっぴり羽目を外した日から数日の間、俺は香苗に霊力の操作を教えながら過ごしていた。今は寝床で物思いに更けている。
「そろそろとんずらしようかな……」
まるで夜逃げするような奴の考えだ。しかし、こうでもしないとこの展開を進められなくなったからな。
「よし、そうしよう」
思い立ったら吉日、昔のお偉いさんだか知らないけど良い言葉を残してくださった。明日出て行こうじゃないか。
「ぐー……」
思えばこれはフラグだったかもしれない……。
〜〜〜〜〜〜
……廊下が煩いな。何かあったのか?
「永巡様!永巡様!」
「なあに……そんなに慌てて……ふぁあ〜」
香苗が慌てて俺に宛がわれた客室に雪崩れ込んで来る。はっきり言って眠い……。
「八坂神奈子が攻めて来ました!」
「ああそう……え゛?」
八坂神奈子が攻めて来た?八 坂 神 奈 子 が 攻 め て 来 た? (←大切な事なので二度言いました)
「諏訪子はどうしてる?」
「迎撃に向かいました!」
「何処にだ?」
「ここから南東です」
「あの湖周辺か……俺も向かうしかないな」
襖を開け、舞空術さながら宙に舞い出る。
「めぇいっぱい飛ばせぇー!」
ベジータさんリスペクトっす!
〜〜〜洩矢神社付近の湖〜〜〜
大魔導典籍を発動させ、更に加速すればうっすらと諏訪子の姿が見えてきた。
「もう始まってやがったか」
状況はやはりというか諏訪子の方が不利だった。服の所々が赤く染まっている……大分やられてるな。
「諏訪子!」
「永巡……かい?」
「今そっちに……」
行く、と言いかけた所で諏訪子が手で制してくる。手を出すなという事か?
「……分かった」
「ありがとう永巡……待たせたね八坂」
「別に二人でも構わんのだぞ?」
「それで勝っても嬉しくないやい」
「そうか」
少ない言葉を紡いでまた戦い始める。この勝負が決着するまで実に数時間はかかった。
〜〜〜洩矢神社〜〜〜
俺は倒れた諏訪子を背負い、八坂を引き連れて神社に帰って来た。すると向こうから香苗が心配そうな顔で走ってきた。
「はあはあ……諏訪子様は?」
「負けた……多少傷ついているが死
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ