第九話 動き出す物語
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店員に差し出し会計を済ませる。そう、つい最近プラチナから限度額無制限のブラックへとなったのだ。
それは態々俺が滞在しているホテルまでカード会社のお偉いさんが訪ねてきて、ブラックを渡されたのだ。勿論最初はそのことに戸惑ったのだが、お偉いさんの説明で納得した。どうやらトムからの紹介ということもあり少し気になって俺の一月のカード料金を調べて見たらプラチナの限度額限界まで使っていたことを知り、さらにきちんとその分のお金を支払っていたことに驚き、すぐに会社で会議が開かれたらしい。
それもそうだ。支払い能力があり限度額限界まで使ってくれている顧客を会社の利益的に考えてそのまま放置できるわけがない。しかしすぐさまブラックカードにするほどまだ信頼関係を築けていない。限度額無制限のブラックカードにするということは一種の信頼関係の証でもある。
会議ではまだブラックは早く様子見するべきだとの意見が出たらしいのだが、そこはこのお偉いさんが何とか抑えてくれたらしい。何故そこまで俺を信頼してくれているのかと聞くと、笑顔ではぐらかされてしまった。ん〜何故だ。
そんなこともあり俺はジュラルミンケースで現金を持ち歩かなくて済んだ。一食でとんでもなく食べるので下手すれば一回の会計で数千万近く払ったこともある。ブラックカード様々である。
そんな俺がいくらよく食べるからと言っても普通の店ではそこまでの金額にはならない。そうこれはグルメタワーの中層階や上層階のレストランでの話だ。あそこは一見客は入れないのだが紹介でなら入店できる。
一番初めに紹介してくれたのは俺が最初に宿泊したあの五つ星ホテルの従業員だ。あそこで十日近く泊まっていたのでお礼に捕獲レベルの高い動物をノッキングした状態でプレゼントしたのだ。その時俺に四天王の存在を興奮しながら教えてくれた人が紹介してくれた。
プレゼントしたあの時従業員達が本当に嬉しそうに喜んでくれたのが凄く嬉しかった。あそこまで喜んでくれるとは思わなかったから。その時ふと思った。もしこの話を前世の時の俺が物語のように読んでいたらどんな感想を抱いただろうと。自分のことだけに容易に想像ができた。善意で一頭何千万もする動物を無料であげるなんて少年誌の王道のような人物だなとでも思っただろう。そんな考えを持っていた俺がここまで変われたのは何故だろう。
強くなったから。命の大切さに気がついたから。自身に余裕が出来たから。それもあるだろうが、単純にこの世界の壮大さのおかげだと思った。漫画やアニメの世界でこんな人いねぇよと思われる個性豊かな登場人物達がいる。それは過去に経験したモノの影響もあるだろうがやはり世界の不思議や先程も言った壮大さも人格形成に関係してくると思う。少なくとも俺がそうだ。
前世では考えられな
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