暁 〜小説投稿サイト〜
トリコ〜食に魅了された蒼い閃光〜
第八話 充実した生活
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 あの絶叫の後、俺のことについて根掘り葉掘り聞かれ無人島生活を送っていたことをトムに話した。無論転生云々については話していない。

 最初は無人島生活に驚いていたが話終わると納得の表情で「強いわけだ」と一言。そりゃあ、八年間ずっと交友関係を誰とも築くことなく娯楽もなく世間の情報も得られない所で戦い続けたんだ。強さだけには自信がある。


 その後、まずはグルメIDを市役所のような場所で発行し、それを身分証明書に口座を開いた。まぁ案の定グルメIDの発行の際、いろいろと時間が掛かった。
 そりゃあそうだろうな、何せ国籍不明で戸籍もないのだから。しかしそこはトムがいろいろと世話を焼いてくれて事なきを得た。どうやら出身をジダル王国のスラム街と説明したらしい。そういえばジダルってIGO非加盟国でそこのスラム街なら戸籍がない説明もつくな。

 それだけではなく電話を四方八方にかけ、いろいろと掛け合ってくれていた……もうトムには頭が上がりそうもない。そう思うと同時に自分の記憶力に驚いた。ジダル王国が非加盟国とか意外と覚えてるもんなんだな。

 ついでにグルメクレジットも作った。正直ただのクレジットカードじゃねぇかと思っていたのだが、どうやら加盟店のグルメ全般の買い物においてポイントやら特定の加盟店での料金割引などお得なクレジットカードになっているようだ。

 俺は恐らく、というか絶対に多額のお金をこれで払うことになるので上限無しのブラックカードが良いのだがまぁ無理だ。ついこの間まで戸籍もなかった野郎にいきなりブラックにはできないだろう。

 実際はそんな理由とは関係なしにそういう特別なカードはクレジット会社が優良顧客に付与するためどの道できない……はずだったが何と我らがトムさんの計らいでブラックは無理だが特別にプラチナカードを手にすることが出来た。何と贔屓にしている取引先の系列がこの会社らしくそこのお偉いさんが取り計らってくれたようだ。凄いよ、トムさん。

「うちは貧しい小売も多く抱えてるが、大手の会社相手にも商売してるからな。といっても大量の食材は無理だから質の良いものを少量、取引してるんだ。だから良い食材を期待してるぜ、ライデン」

 ニヒルに決めた笑顔に不覚にもドキッとしてしまった……こういう格好良い漢になりたいものだ。そしてそのまま背を向けながら人脈は大事にそして多いに越したことはないっと名言をおっしゃってトムさんはご帰宅になられた……トムさんの背中がやけに大きく見えた。

 それから十分も経たない内に鰐鮫のお金が振り込まれた。出来たばかりの通帳を見ると見たこともない数字の桁が並んでいる……この大金で何ヶ月もつのやら。俺が常人なら一生遊んで暮らせるほどの大金なのにだがグルメ細胞のせいで一年ももたないな。


 とりあえ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ