第八話 充実した生活
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少のサニー様が十五歳だったかと。ライデン様とココ様は同じ歳にあたりますね」
確か原作ではトリコの年齢は小松と一緒で二十五歳だったはず。小松が意外と年を重ねていたことに驚いた覚えがある。いや、料理長としてなら二十五は若いんだが。しかしそうなると今は原作の九年前ということになるな……激動の時代までまだ時間の猶予はあるってわけか。さて、俺はどう動くべきかな。
注がれていた水晶コーラを楽しみながらこの先のプランについて考える。原作に介入するべきか、それとも影で見学しているべきか、全く関わらずにいるべきか。正直わからん。あと九年もあるしそんなに急いで結論を出す必要もないか。
取り敢えず今の俺の現状を何とかしなければいけない。衣服や住居、そして少しは生物についての知識も深めていかなければならない……のだが勉強は苦手だ。トムのあの手際を見る限り俺も交友関係も広げといて損はないだろう。
でもまずは満腹都市グルメタウンに行きたい。このホテルでこれほど美味しいものが食べられたんだ。同じ食材でも調理によってこれほど味や食感、香りが変わり美味しくなるとは予想だにしなかった。五つ星でこれだ。これ以上のレストランやホテルならどれほど俺を満足させてくれるのか今から楽しみでしょうがない。溢れ出そうな唾液を何とか抑え、水晶コーラを飲み干す。
「くぅ〜〜美味いッ! コーラなのにどこか品を感じさせる味だ。さすが二十年物なだけあるな。っとそういえばこの辺で服屋ってある?」
「えぇ、勿論ございます。古着から高級ブランドまでこの辺りでは購入できますが、美食屋専門店となると限られてきます」
スーツの内ポケットから辞書程度の大きさのPCを取り出し、地図を見せてくれた。便利だな。俺も買っとくか。いや、携帯電話があれば事足りるか。あぁ携帯も買わなきゃ。
「美食屋の専門店なんてあるんだ。知らなかったよ」
「大自然の中で活動される美食屋は衣服の強度や利便性が何よりも重要ですので……ここでございます」
「どれどれ。おっ!結構近いな」
「この店が一番人気ですね。玄人ならばまずここでお買い求めになられるかと。完全オーダーメイド制ですので時間も掛かりお値段もそれなりにいたしますが」
「ん、オッケーオッケー。んじゃ早速行ってくるわ。教えてくれてヨンキューね」
座っている両膝をポンっと叩き重い腰を上げる。お腹もそこそこ膨れたしお買い物でも行ってきますか。
「お気を付けて行ってらっしゃいませ」
四十五度の綺麗なお辞儀で見送られた。うん、気分が良いな!
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