第八話 充実した生活
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とも大事な仕事だが食することも大事な仕事だからなぁ。身体が資本な職業だし。特にグルメ細胞持ちの奴らなんかは食べることが一番の成長へと繋がるからね。まぁ成長の幅がない人はあれだけど。
「ご馳走様でした。美味しかったよ、テーブルマナーは今度覚えてくるわ」
「そう言っていただけると料理長も喜ぶでしょう。テーブルマナーは大事なことでございますが一番のマナー違反は料理をお残しになることだと私は思います。最近はテーブルマナーを守っても全て食べ終えずにいるお客様も残念ながらいらっしゃいます。その点から言えばライデン様は大丈夫でございましょう」
「そりゃあ勿体無いな。なら残った品は全部俺の所に持ってきてくれよ……ん?これもマナー違反か」
その従業員は微笑みながら俺に深く一礼をした。恐らく俺の冗談だと思っているのだろうが割と本気だったんだが。まぁいいか。食後の一服にあの島から持ってきた最後の葉巻を咥え火を点ける。
あっ……俺まだ未成年だった。ホテルのチェックインの際に十八歳って記入しちまった。やべぇと思いつつも従業員の顔色を伺うとにこやかに二十年物の水晶コーラをシャンパングラスに注いでくれてた。俺の名前を覚えてる優秀な人が年齢も覚えてないわけないもんな。スルーしてくれているのか。有難い。さすがにお酒は頼めないが。
つけっぱなしにしていたテレビはいつの間にかニュースが終わりバラエティ番組になっていた。しまった、見逃したか。あの期待のルーキーとやらの名前や顔が観たかったんだけど。いや、この人に聞けばいいか。
「そういやぁ、さっきテレビで若き新星達がまたも新種の食材を次々と発見したって言ってたけど有名なの?」
「恐らくライデン様がおっしゃっているのはあの四人のことでございましょう」
……あの四人、ね。これはいきなりビンゴか。まぁそんな感じもしてたんだよな。確かトリコだけでも原作開始当初で六千種の新種を発見したんだっけか。さすが食のカリスマ。それにしてもこの人随分ともったいぶる言い方をするな。心なしか興奮してるようにも見えるし。
「今や世間で話題沸騰中の期待の新人。最近では四天王とも呼ばれはじめているのだとか。風の噂ではIGO会長一龍氏が自ら手塩にかけて育て上げている後継者。その名もトリコ、ココ、サニー、ゼブラの四人の美食屋達のことでございましょう。何より驚くべきことは四天王の全員が十代という若さ。これから今以上に活躍されることでしょう」
握りこぶしを作り鼻息を荒げながら興奮した表情で語っているこの人は四天王のファンなのだろうか。先程までの冷静で知的な面が台無しだ。
「そ、そうか。って十代!? 正確な年齢って知ってる?」
「確かトリコ様とゼブラ様が同じ十六歳、その二つ上のココ様が十八歳、そして最年
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