暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第九話 初依頼とカナ・アルベローナ
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、突然カナの背中から血が噴出した。

「カナッ!!」

 スローモーションのように倒れるように見えた俺はすぐにカナの元へ駆けつけようとしたが、カナの背後に現れた大柄な中年の男がカナの首筋に風を纏った手刀を宛がい俺の行動を阻止した。

「おっと、動いてもらっては困るよ。彼女の首を刎ねなくてはいけなくなるからね。さて自己紹介をしようか。侵入者に対しても紳士な対応をすべきだからね。僕はこのギルドのマスターの」

「てめぇの薄汚ねぇ名前なんぞどうでもいいんだよ。さっさとその手を離せ」

 俺は怒気を表現するかのように床をひび割れるほど脚で踏みつけ、相手に命令するように指さした。

「やれやれ、君はどうやら、今どちらに主導権があるか理解できてないみたいだね」

 男はさらにカナの首筋に手刀を近づけ首の皮一枚を切りつけ、血を滲ませた。距離が遠すぎるためシルファリオンの攻撃でも間に合わないかもしれない。相手の動きを封じさせるDBも持っているが、それを行使するにもやはり距離が問題となっている。

「まったく、下劣な侵入者風情にこの様とは我々には強者(つわもの)が必要ですね。今後の課題は強者を集めることでしょうか。まぁそれは後でいいとして君達を殺して検束の連中に報告しておけば綺麗に解決ですね」

「ちっ、黒い噂とやらは本当だったみてぇだな」

「おやっ! 君達のような子供がその噂を知っているとは驚きですね。もう少し階級の高いものでないと聞けない噂のはずですが。それもこの街に住んでいるもの限定でね」

 まるで道化師の様に白々しく驚いた後、笑みを浮かべながら話しだした。
 しかしなるほど、こいつは俺達が何故このギルドに侵入してきたのかわかってないのか。カナを攻撃したのはこのギルドの状態から判断してのことだろう。ワインもカナの下敷きになって隠れて見えていない。

「クック、世の中隠蔽してしまえば割りとどうにかなるものですよ。評議院に報告する際に提出する資料など大して調べませんからね。評議院は検束の連中を疑うことはしませんから」

 俺達を殺す気でいるためか、簡単に口を割ってくれている。だがもう少しだ。もう少し時間を稼げばこいつはゲームオーバだ。そして、俺はあくまでも追い詰められている側を演じなければならない……。

「この街を支配し我が物とする。検束と協力関係にあれば評議院の法の神の元へは届きません。ゆえに私が裁き、私が法を下すのです!私がっ!この私こそがジャッチするのです!」

 自身の右胸に手を宛がいながら高らかに宣言するかのように叫んだ。狂ってやがる。全てを自分の思い通りに事を運び自身がまるで神になったかのように優越感に浸っている。吐き気がする。まるで楽園の塔にいた黒魔導士達のように妄信してやがる。しかも妄信して
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