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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第九話 初依頼とカナ・アルベローナ
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ざわざ危険を冒してまで盗むかしら?」
「そのワインは私にとって希少、いや大事なワインなのですよ。実は今は亡き父が私のために作ってくれたワインなのです。父が一人で作業し作り上げたのですよ。そしてそのワインを私が十五歳になったら一緒に飲むのが夢だったのです。残念ながら父は私が十五歳になる前に亡くなってしまいましたが」
希少、というより思い出が詰まった大事なワインだったってことか。この依頼人からしてみれば希少だろうな。何しろ彼にしてみれば世界でたった一つだけのワインなのだから。
「そんな大事なお酒を盗まれたっていうの!? だったらこんなゆっくりしてられないじゃない!早く取り戻さないとお父さんから貰った大事なお酒がっ!」
「落ち着け、カナ。焦っても仕方がないだろう。しかし、何故盗賊たちはそんなワインを盗んだんだ? ブランクにとっては希少だが盗賊たちには意味を成さない酒だろ?」
「恐らくですが、間違った噂を聞きつけたのでしょう。世界で一つだけの希少なワインをあのブランクが所持している、とね。ワインは貴族や王族などに高く売れますから。それも世界で一つだけと聞けば払う金額もそれなりの額となりましょう」
つまり、勘違いということか。だとするとこのブランクはとんだ災難に見舞われたってわけだ。ただ気になるのはそれだけじゃない。カナの様子がおかしい。確かにそんな大切な物ならば早急に取り戻さなければならないが、カナの態度は少し異常だ。まるで自分のことのように。何かあるのだろか、カナの過去に。
「この部屋です。お入りください」
その部屋には八人の男達が拘束されており、その内四人は気を失っている。残りの四人は意外にもまだ元気はあるようだ。どちらにしてもDBがあれば特に問題はないけどな。尋問の必要すらない。俺は透視のDBドーブレビスタを発動させる。すると所属ギルドの名前が浮かび上がってきた。
「……所属ギルド、ジャッチメント?」
「「なっ! 何故それを!?……あ、しまった……ぎゃぁぁあああ」」
……恐ろしくお茶目な奴らだな。それに魔法の道具が発動してやがる。発動が遅いと思うが、特定のキーワードを言わなければ即座には反応しないのだろう。だが、これでブランクも今の情報を信頼してくれるはずだ。傍らにいた依頼人のブランクと使用人は何故こんなやつらから聞き出せなかったんだとばかりに額に手をあてている。どんまい。
「確かそのギルドの名前聞いたことがあるわ。たぶん闇ギルドの連中ね」
俺もワカバ達から教えてもらったな。確か非公式のギルドのことを闇ギルドというらしい。その名に恥じず、あくどい事をやっていると聞いた……面白くなりそうだ。強い奴がいればいいんだが。
「ジャッチメントですか。私も聞いたことがありますね。
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