第3章 白き浮遊島(うきしま)
第23話 ルイズに王命?
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「それで、この国の王女さまがやって来ると言う事ですか」
妙な熱気に包まれた雑多な気が混じり合う空間の中で、誰に問うでもなく、そう独り言のように呟く俺。
奇しくも、タバサの正体が元大公家の姫君だと判った時に考えた通りの状態に成りましたね。
但し、あの時は、単なる冗談の心算だったのですが……。
もっとも、現れたのがこの国の王女様で有ろうとも、王様で有ろうとも、俺にはまったく関係ない事ですけどね。
それに、俺の右横では、俺の蒼き御主人様も芝生に腰を下ろして、既に読書タイムへと移行していらっしゃいます。彼女に関係がない事ならば、使い魔の俺にも関係のない事でしょう。
それで……。あのふたりの魔法学院の教師に取っては悲劇。生徒達に取っては喜劇の授業風景の最後の部分で受けた説明に因ると、何でもトリステイン王家からこの国のお姫様が、急遽この魔法学院の視察にやって来る事に成ったらしいです。
それで生徒全員、正装で王女様をお出迎えしろと言う事で無理矢理引っ張り出されて、見栄えや、身分の高い家出身の方々が前面に。そして、俺の御主人様やキュルケのような留学生達や身分の低い方々は脇の方に集められて、王女様御一行の到着を待っているトコロ、……と言うのが現在の状況ですか。
それならば、モノのついでですから、王女様御一行が到着した時に、七色の紙吹雪と五色のテープでも舞わしてさし上げましょうかね、本当に。
おっと、イカン。ついつい身分の高い人間が相手ですと、妙な悪態を吐くクセが有りますね。まるで反骨を気取っているみたいな雰囲気にはなるけど、その王女様だって別に王家に産まれたくて産まれた訳ではないですし、人間的には優しい、善良な人間の可能性も高いですか。
思い込みだけで判断するのは問題が有ると言う事ですか。これは素直に反省すべき事柄です。
王女の一行の馬車が学院の正門をくぐって現れた時に、整列した生徒達が一斉に魔法使いの杖を掲げた。
尚、その時、一斉に発せられた小気味良い音が、この学院の生徒達の教育のレベルの高さを物語っていると思います。
少なくとも、学級崩壊を起こして居るようなクラスでは出来る芸当ではないとは思いますから。
それで、正門を潜った先……。本塔の玄関先で王女様御一行を出迎えようとしているのは、学院長のオスマンじゃないですか。しかし、あのお爺ちゃんで大丈夫なのでしょうか。俺の見た感じで言わせて貰うなら、もう大分、来かかっていたように思うのですが。
……と、まぁ、冗談はさて置き。
そのトリステインの王女様を乗せているので有ろう、先頭を行く白い馬車を引いている四頭の白馬に視線を移す俺。尚、その四頭の白馬には、普通の馬には付いているはずのないパーツが、その
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