第四十五話 潰えた理想
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も通り俺と恵子でする。だから確実にやれよ」
「わかってるさ」
勝平はそれに頷いた。
「一撃で決めてやるぜ」
「期待していますね」
「わかってるけど何か引っ掛かるなあ」
「何がでしょうか」
ルリは勝平の声に応えた。
「いや、ルリさんって何か声に感情がねえから」
「これは前からですけど」
「綾波さんみてえにな。だから何か本当に期待してもらってるかどうか不安になる時があるんだ」
「本当に期待していますよ」
「いや、それでもな」
「贅沢言ってるときりがねえぞ」
「そうよ。声をかけられるだけましよ」
「そんなものかなあ」
「そうに決まってるだろ」
「それにザンボットはあんたがメインパイロットなんだから。期待しないわけにはいかないのよ」
「やれやれ」
二人のいつもの突っ込みに頭を掻く。無論ヘルメットの上からであるが。
「まあそれでもいっか。じゃあ行くぜ」
「おう」
「ザンボット発進ね」
「ザンボットコンビネーションはできねえけれどな、もう合体しちまってるし」
何だかんだと言いながらも三人はザンボットに乗り込んだ。そして出撃する。マクロスの前に出る。目の前には月がその殺伐とした白い姿を見せていた。ロンド=ベルとギガノスの決戦がはじまろうとしていた。
ロンド=ベルは準備を整え終えていた。だがギガノスはそうはいってはいなかった。彼等は今戦場とは違った場所で深刻な対立を迎えていた。
「閣下、お願いです!」
元帥の執務室にて白い髪に同じく白い口髭を生やした四角い顔の男がギルトールに詰め寄っていた。
「今こそ若手将校の武力鎮圧を!それしかありません!」
「ならん!」
だがギルトールはそれを頑として認めようとはしなかった。頑なに首を横に振った。
「それはならんぞ!」
「マスドライバーの無差別使用もですか!」
「それもだ」
ギルトールはそれも認めはしなかった。
「同志達をその手にかけて何が理想か!ドルチェノフ、貴様は自分の言っていることがわかっているのか!」
「しかし!」
「マスドライバーもだ!あれの無差別使用だけは断じて許されん!」
「ですが」
「ですがも何もない!我等はジオンとは違う」
そしてこう言った。
「わしはギレン=ザビではない!無差別攻撃なぞして我等の理想が為すとでも思っているのか!」
「また理想ですか!そのようなものは」
「理想なくして何事もない!」
また言った。
「それがわからぬのか、貴様は!」
「そんなことを言っていては軍の士気が・・・・・・」
「何を言っている。我が軍の士気は高い。統率もな」
流石は連邦軍において随一の切れ者と言われていただけはあった。ドルチェノフの詭弁を適切に見抜いていた。
「それに若手将校達の言っていることにも一理ある。ある
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