第四十五話 潰えた理想
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「プールに?」
「そうさ。丁度タップやライトから誘われてるんだ。ユリカ艦長からもな」
「あの人からも」
「そうさ。それで一緒に来て欲しいんだけど。いいかな」
「ええ、いいわ」
リンダはにこりと笑ってそれに頷いた。
「それじゃあ水着用意しておいてくれよ」
「えっ!?」
いきなりそう言われて戸惑わずにはいられなかった。
「プールつったら水着だろ、何言ってるんだよ」
「けど、私」
「頼むよ、もう皆にリンダも来るって言ってあるしよ」
「何時の間にそんなこと言ったの?」
「さっき。ナデシコのメンバーにも言ったしさ。もう後戻りはできないから。な!?」
「強引ね」
思わず苦笑してしまった。
「いつもそうなんだから。勝手に話を進めて」
「嫌かい?」
「いいえ」
だがそれには首を横に振った。
「いいわ。じゃあ行きましょう」
「そうこなくっちゃ。それじゃあ俺先に行ってるから」
「あ、ちょっと」
呼び止めようとするが彼の方が早かった。ケーンはウキウキした足取りで部屋から消えていた。後に残ったリンダは一人先程の苦笑いを続けていた。
「ホントに。困ったものね」
口ではそう言っても悪い気はしなかった。箪笥を空けそこにある服の中から水着を取り出す。そしてそれを確かめた。
「これでいいわね」
合格であった。白と緑の縦のストライブのワンピース。それを着ていくつもりだった。
「けれどユリカさんやハルカさんもプロポーションいいから。心配ね」
ふと他の女性のことも考える。何時の間にか気がかなり楽になっていた。
「けれどケーンはそれは心配ないわね。あんなのだし」
そう言いながら身支度を整える。そして部屋を出る。
部屋を出る時に窓を見た。そこには地球が見えていた。
「兄さん、またね」
そう言い残して部屋を後にした。そしてナデシコのプールに向かうのであった。
その地球に蒼い流星が降り注いだ。そしてある島の海岸に一機のマシンが横たわっていた。
「父ちゃん、あれ」
そこに一人の少年が通り掛かった。その父親も一緒である。
「モビルスーツかな」
「いや、似ているが違うぞ」
父親は息子に対してそう答えた。
「あれはメタルアーマーだ」
「メタルアーマー?」
「ああ。モビルスーツとは別のマシンだ」
「そうなの」
「珍しいな、こんなところに」
「そうだね。こんなところにマシンが来るなんて」
「道にでも迷ったのかのう」
「まさか。コンピューターも付いている筈なのに。あっ」
そして少年はここで気付いた。
「父ちゃん、あれ」
今度はそのマシンの側に倒れている男を見つけた。金色の髪の若い男である。
「兵隊さんだよ。倒れてる」
「死んでいるかな」
「どうかな」
二人はそんな話をしなが
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