第四十四話 第三の敵
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った。彼女はそれに乗って何処かへと行ってしまった。
「あの娘は一体何なんだ?」
マサキは彼女がいなくなるとあらためてシュメルに尋ねた。
「一応私の弟子ということになっている」
「弟子」
「フィアンセかどうかまではわからないが。とりあえず身の世話はしてもらっている。私はどうも世事のことには疎いものでな」
「へえ、いい娘だねえ」
「うむ。悪い娘ではない」
それはシュメルも認めた。
「おかげで私も助かっている。それに剣の捌きもいい」
「へえ」
「素直でいい剣だ。きっと大成するだろう」
「それであんたのことだけどよ」
「君達が言いたいことはわかっている」
シュメルは静かにそう答えた。
「ゼツ博士のことだな」
「ああ」
「今こちらにバゴニアの大軍が向かっている可能性もあるよ」
「そうであろう」
リューネの言葉に頷いた。
「だが恐れることはない」
「いや、そうは言ってもよお」
「あんた狙われてるんだよ。用心した方がいいよ」
「それはわかっている。だが私にとっては彼等は恐れる程のものではない」
「馬鹿な。相手は狂人だというのに」
ヤンロンが言った。
「剣聖シュメル、僕達は貴方をお救いする為にここに来たのです。是非我々と共に」
「私はそれよりも今の絵の方が重要だ」
「絵がどれだけ大事かわからねえけれどよ」
「このままだとあんたゼツに殺されちゃうよ」
「心配は無用。あの男に私は殺せない」
「何でだよ」
「その時になればわかること。心配は無用」
「・・・・・・わかったよ、じゃあ好きにしな」
マサキはそう言って彼から背を向けた。
「もう知らねえ。勝手にゼツに利用されて殺されちまいな」
「あっ、マサキ待ちなよ」
そんな彼をリューネが呼び止める。だがマサキは行く。それで話は中断となった。ロンド=ベルの面々は止むを得ず大空魔竜の中に入って話をはじめた。
「困ったことになったな」
まずは大文字が口を開く。
「シュメル殿がああ言われるとは」
「いや、これは想定されたことです」
だがサコンはこう述べた。
「予想されたことかね」
「はい。シュメルさんはどうやらかなりの剣の腕前のようですから。おそらく敵が来ても退けられると思っておられるのでしょう」
「しかし相手は魔装機だぞ」
アハマドがそれに反論する。
「そうおいそれとできるものか」
「魔装機も技は使うことができるな」
「うむ、そうだが」
「それならば問題はないだろう。あの小さい魔装機でもな」
そう言って窓の外に見えるルジャノールを指差した。丁度今帰ってきたところであった。
「だが問題はバゴニアだ。セニア姫」
「何?」
「そのゼツという男、人間的にはどうなのですか」
「はっきり言って頭がおかしいわね」
彼女は率
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