第四十四話 第三の敵
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いとか」
「聞いた話によるといい歳したおっさんらしいが」
今度はキーンに答える。
「おかしいな。何でこんな娘がいるんだ」
「おしかけなのよ。悪い?」
その少女はマサキの言葉に少しむくれた。
「おしかけねえ」
「何だかなあ」
「細かいことは気にしないの。それであんた達は?」
「俺達?ロンド=ベルっていうんだけれど」
「聞いたことないわね」
「まあ色々あってな。それで御前さんは?」
「私はロザリーっていうの。ロザリー=セルエ」
「ロザリーか。いい名前ね」
「おや、ありがと」
シモーヌにそう言って笑みを返す。
「それであんた達どうしてここに?」
「ちょっとシュメルさんに用があってな。何処にいるんだい?」
「先生なら家にいるけど。今はちょっと取り込み中でね」
「取り込み中」
「絵を描いているのよ。描きはいめたらもう他のことには目が入らなくなっちゃって」
「また難儀なことだな」
「それでよかったら後にしてくれない?折角来てもらって悪いんだけど」
「そうもいかないんだよな」
だがマサキはそれには苦い顔をした。
「こっちも色々とあってな」
「また色々なんだね」
「仕方ねえさ。今そっちの国とラングランがどういう状況かわかってるだろ」
「テレビじゃ何か物騒なことになってるわね」
「そういうことだ。それでちょっとシュメルさんに言いたいことがあってな」
「さっきも言ったけれど今は無理よ」
「そこを何とかよお」
「だから後で来てよ。今はとても無理よ」
「ちぇっ。どうするよ皆」
マサキはこう言って後ろにいる仲間達に声をかけてきた。
「どうするって言われてもねえ」
まずリューネが困った顔をした。
「こっちにも事情があるし」
「それはわかってるつもりだけど後で来てよ」
「だからねえ」
「こっちも先生がああなると」
「一体何をそんなに話しているのだ?」
すると家の奥から一人の赤茶色の髪と髭の男が姿を現わした。
「あ、先生」
「珍しいことだ。お客人か」
「あ、ああまあな」
マサキがまず最初に言う。
「そんなところだ。あんたがシュメルさんか?」
「如何にも」
彼はそう名乗った。
「私がシュメルだが」
「丁度よかった。実は話したいことがあるんだけれどよ」
「ふむ」
彼はまずマサキの目を見た。それから言った。
「どうやら断るわけにはいかないようだな。いいだろう」
「おっ、悪いね」
「お茶を用意しよう。ロザリー」
「はい」
「おそらくこちらの方々にお茶をふるまったらもうなくなってしまうだろう。買出しに行っておいてくれ」
「わかりました。それじゃ」
「うむ。済まないな」
ロザリーは家の後ろにある魔装機に乗った。どの国でも作業用等に使われているルジャノール改であ
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