第四十四話 第三の敵
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信用を取り返したければさっさと動く」
「敵は待ってくれないぜ」
「わかってるよ。じゃあ行くぜ」
「あいニャ」
「じゃあ出撃」
「頼んだぜ、クロ、シロ」
「あたし達にお任せニャ」
早速ハイ=ファミリアを放ちバゴニア軍のギンシャスに攻撃を仕掛ける。これが攻撃の合図であった。
戦い自体は比較的ロンド=ベルにとって有利な状況であった。彼等は的確に敵を攻撃し、撃墜していた。だがその中で一機だけ腕の立つ者がいた。
「フン、何だこんなものか」
トーマスであった。彼のギンシャスプラスだけは敵からの攻撃を避けていた。そして反撃を加えてくる。その剣をヤンロンはグランヴェールのフレイムカッターで受け止めた。
「このプラーナは」
「ヤンロン、どうしたんだい!?」
「地上人のものだ」
ベッキーにそう答える。ヤンロンの顔からは油断の色はなかった。
「手強いぞ、気をつけろ」
「へっ、どうやらわかったみたいだな」
トーマスはヤンロンの言葉を聞いて不敵な笑みで返した。
「俺は地上から来たのさ。国はアメリカだ」
「あたしと同じかよ」
「その声はリューネのお嬢ちゃんだな」
「あたしを知ってるのかい?」
「当然だろ。俺はDCにいたんだ。まああんたとはかっての同僚ってわけだ」
「あたしはあんたなんか知らないよ」
「けれど俺は知ってるのさ。まあ下っ端だったから無理もねえか」
「トーマス=プラットっていうんだ。宜しくな」
「トーマス=プラット」
ゼンガーがそれを聞いて顔を彼に向けさせた。
「DCのエースパイロットの一人か。名は聞いている」
「そういうあんたはゼンガー=ゾンボルトだな」
「うむ」
「あんたのことは聞いてるぜ。示現流の使い手だったな」
「如何にも」
「一度あんたと手合わせしたいと思ってたんだ。願えるか」
「来るのか」
「来ないって言えば嘘になるな。さあ行くぜ」
「ならば来い」
ゼンガーはそう言ってその斬艦刀を構えた。
「このゼンガー=ゾンボルト、逃げも隠れもせぬ」
「いいねえ、武士道ってやつかい。俺はそういうの好きだぜ」
そう言いながら自分の中のアドレナリンが上昇するのを感じていた。
「俺もオレゴンの生まれでな。ガンマンだったのさ」
「へえ、意外だね」
ベッキーはそれを聞いて口を少し尖らせて言った。
「オレゴン生まれかい」
「おっ、あんたはどうやらネィティブみてえだな」
ベッキーに気付き彼女にも声をかける。
「まあね。けれどハーフさ」
「へえ」
「半分はまああんたと同じ血さ」
「といっても俺も何処の血が混ざってるかわからねえぜ。親父はアイリッシュでお袋はジャーマンだからな」
「ややこしいね、お互い」
「それがアメリカってやつだろ。違うかい?」
「まあその通りさ。戦いじ
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