第四十三話 月の異変
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第四十三話 月の異変
ネオ=ジオンによるコロニー落としはロンド=ベルにより防がれた。しかし地球の危機はまだ去ってはおらず月に本拠地を置くギガノスのマスドライバーがまだ地球を狙っていた。ロンド=ベルはそれも防がなくてはならなかったのだ。
「マスドライバーはジャブローに照準を合わせているようです」
ルリがロンド=ベルの主立った者達を集めた作戦会議室においてそう述べた。
「ジャブローをか」
「はい。それも軍事施設ばかりピンポイントで狙っているようです」
「ジオンみてえに無差別攻撃はしねえんだな」
ケーンがそれを聞いて一言こう言った。
「随分面倒なやり方をするな、ギガノスは」
「それがギルトール元帥のやり方だ」
グローバルがそれに答えた。
「あの人は地球を無差別に攻撃したりはしない」
「それは何故です?」
フォッカーがそれに尋ねた。
「あの人は理想主義者なのだ。人間にしろ優秀な者だけがいればいい」
それは危険思想とも言えるものではあるが。
「そして地球は美しいままで留めておきたいのだ。少なくともあの人はそう考えている」
「ギレン=ザビやジャミトフ=ハイマンとは違うということですね」
「うむ」
アムロの言葉に頷いた。
「そういうことだ。独裁者ではあるだろうが根本で違う。彼は無差別攻撃を好んだりはしない」
「そうなのですか」
「だからといって危険な人物であることには変わりはありませんね」
ここでブライトが口を挟む形で入ってきた。
「少なくとも彼が選民思想を持つ独裁者であることには変わりがありませんから」
「それは否定しない」
グローバルはそれを認めた。
「そうした意味でギレン=ザビやジャミトフ=ハイマンと同じだ」
「それもかなり優秀な」
「何か独裁者ってのは優秀な奴ばかりなんだな」
ジュドーはそれを聞いて首を傾げさせた。
「そうじゃなきゃ駄目なのかね」
「独裁者というのはある意味神だ」
クワトロがそれに答えた。
「神ならば絶大な力を持っているのは当然だろう。違うだろうか」
「じゃあアムロ中佐やクワトロ大尉なんかもそうなりますね」
「むっ」
それを聞いたアムロとクワトロの顔色が一変した。
「ジュドー」
まずはアムロが口を開いた。
「生憎俺は一軍人に過ぎない。そんな能力はとてもない」
「そうなんですか」
「私もだ。私も所詮は一パイロットだ。独裁者になぞなれる力量なぞはない」
「・・・・・・・・・」
だがアムロとブライトはそれに対しては疑念を覚えていた。しかしそれは決して口には出さない。
「神といっても色々な神がある。独裁者は出来ることならこの世には存在しない方がいい神だ」
「そんなもんですかね」
「それもわかるようにな
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