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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第四十三話 月の異変
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いた。それは戦艦ではなかった。木星のヘリウムガス運搬の為に建造された巨大輸送船ジュピトリスであった。今そこに白い軍服を着た紫の髪の切れ長い目の男がいた。ティターンズの将校の一人であるパプテマス=シロッコである。かってはバルマーにいたがバルマー敗北後木星に戻りそこでティターンズに加わったのである。ティターンズにおいては宇宙のモビルスーツ部隊の指揮を任されている。彼は艦橋で部下からの報告を受けていた。
「そうか、いよいよか」
 彼はロンド=ベルとギガノスの動きを聞いてその目を動かせた。
「思ったより早いな」
「まさかコロニー落としを阻止した後ですぐにマスドライバーに向かうとは思いませんでした」
 報告をした部下がそれに応える。
「相変わらずの動きの速さというところでしょうか」
「それだけ彼等に時間的な余裕がないということにもなる」
 シロッコはそれに応えるようにして言った。
「ギガノスは本気でマスドライバーを使用しようとしているのだからな」
「はい」
「ならば当然だろう。だが敵は手強いぞ」
「マイヨ=プラート大尉ですか」
「そうだ。果たして彼に勝てるかな」
「そこまではわかりませんが」
 部下は返答に困りながらもそう述べた。
「ただ、この戦いは我が軍にも影響が出ると思われますが」
「それはわかっている」
 シロッコはそれに頷いた。
「ロンド=ベルが勝ってもギガノスが勝ってもな」
「ではどうされますか」
「今は静観していていい」
 しかしシロッコは動こうとはしなかった。
「よいな。静観だ」
「わかりました」
「趨勢ははっきりしてからでもいい。それに今はネオ=ジオンの動きも気になる」
「彼等は今コロニー落としの失敗とその際の損害の多さで暫くは動けないと思いますが」
「ハマーン=カーンを侮るな。あの女はその程度のことは予測済みの筈だ」
「左様ですか」
「そうだ。この時に何かを仕掛けて来る可能性が高い。油断するな」
「わかりました」
「差し当たってはこのセダンの門の守りをさらに固めるぞ」
「はっ」
「ポセイダル軍もいることだしな。バルマーもいずれ来るだろう」
「そういえば彼等はまだポセイダル軍を派遣してきただけですな」
「あの者達はまだこちらには来てはいないがな」
「はい」
「だが油断してはならない。あのギワザという男も狸だろう」
「狸ですか」
「器は大きくはないだろうがな。だが小者は小者なりに動くもの」
「ですな」
「油断してはならないということだ」
「わかりました」
「ジャミトフ閣下から御言葉があれば伝えてくれ。バスク大佐のものだ」
 シロッコはそう言い残すと踵を返した。
「どちらに行かれるのですか?」
「少しやることを思い出してな」
 薄い笑いを浮かべながらそう答えた。

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