第四十三話 月の異変
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校の中でも過激派がいる模様です」
「過激派が」
「ギルトール元帥のマスドライバーの使用自体に対する考えに異論を述べる者達がいるようです」
「何か複雑だな、ギガノスも」
リュウセイはそれを聞いてぼやいた。
「独裁国家だともっと単純なものかと思ってたが違うんだな」
「まあそんなものだ」
ライがリュウセイにそう述べた。
「人間がいればそれだけ派閥が生じる」
「独裁者がいてもか」
「その独裁者の寵を得たいのもいる。そして互いに争う」
「へえ」
「中には独裁者自体になりたいのもいるだろうしな」
「要するに自分がお山の大将になりたいってわけか」
「簡単に言うとそうなる」
「何かどっかのガキの喧嘩みてえな話だな」
「人間の世界ってのはあまり変わらないものだから」
アヤが二人に対してそう述べた。
「何処でも大なり小なり同じよ」
「それでその過激派とは」
「ドルチェノフ中佐がその中心にいるようです」
ルリはブライトの問いに答えた。
「ドルチェノフ中佐」
それを聞いた連邦軍にいたメンバーの多くが顔を顰めさせた。
「あいつか」
「そういえばギガノスにいたんだったな」
「何か有名人みてえだな」
勝平はそれを見て呟いた。
「何かとんでもねえ野郎みてえだけど。どんな奴なんだ?」
「一言で言うと最低な奴だ」
ビルギットは吐き捨てるようにそう言った。
「傲慢で底意地が悪くてな。それでいて無能だ」
「何か凄い御仁みたいだな」
ライはそれを聞いて呆れたような言葉を漏らした。
「あんな奴がギガノスのいるだけでギガノスにとってマイナスになるぜ」
「だとすると今後のギガノスが楽しみだな」
「何でだよ」
「そのドルチェノフが何かしでかす可能性があるということだ。敵の勢力が衰えるのならばそれにこしたことはない」
「そんなもんかね」
リュウセイはそうしたことには疎かった。
「俺はどっちかって言うと全力で戦いたいんだがな」
「それはわかるがこれは戦争だ」
だがライはそれよりも戦争全体を見据えていた。
「敵の衰退はこちらの勝利に直結するからな」
「戦って勝つだけじゃねえのかよ」
「それもわかってくる。今は無理でもな」
「あまりわかりたくもねえなあ」
「嫌でもわかるようにるさ。嫌でもな」
思わせぶりな言葉であった。ロンド=ベルはそのまま月に向かっていた。
その頃月ではルリやライが予想した通り内部において衝突が起こっていた。若手将校と高級将校達の対立である。若手将校達はマイヨの前に殺到していた。無機質な基地の中で激しい喧騒が起こっていた。
「大尉殿、これ以上待ってはいられません!」
若い将校の一人が叫んでいた。
「このままではギガノスはその理想を失います!」
「これも全て無能な将
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