第四十二話 召還者
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から色々と働いてもらいますよ」
「お金はもらえますか?」
「お金?」
「そうですよ。たっぷりはずんでもらわなくちゃ嫌ですからね」
「わかってますよ」
彼は微笑んでそれに頷いた。
「では前金として」
「やった」
一粒の大きなダイアモンドを取り出す。そしてそれをチカに与えた。
「どうぞ」
「やっぱり御主人様って気前いいですね、だから大好きなんですよ」
「私にとってはさして価値のあるものでもありませんし」
「けれどどうするんですか、これから本当に」
「ミケーネのことですか」
「ええ。それにガイゾックもいますし他の勢力も」
「ティターンズやドレイク軍は今のところ勢力の回復に務めております」
シュウはまずは彼等に言及した。
「ですから彼等については心配することはありません」
「ガイゾックは」
「彼等については私自身が向かいます。これで充分でしょう」
「神ファミリーには何も言わないんですか?」
「彼等はね、無茶をしてしまいますから」
「無茶!?」
「ええ。命を捨ててでも戦うでしょう。彼等にそれはさせられないです」
「で、御主人様自ら行かれると」
「はい」
「けどそれじゃミケーネとかはどうなるんですか!?厄介なことになりますよ」
「彼等はおそらくは動かないでしょう」
「何故ですか!?」
「地下に向かうと思われます。彼等の本拠地が地下にあるのは知っていますね」
「はい、まあ」
「おそらくヴォルクルスの存在を知っているのでしょう。彼の力を借りようとするでしょう」
「ミケーネが」
「というよりククルがです」
「ククル!?ああ、あの銀色の髪のきつい女ですね」
チカは持ち前の毒舌をここで発揮した。
「彼女はミケーネとは協力関係にありますが本質的に違います」
「邪魔大王国の女王ですからね」
「元々は違いますけれどね」
「あれっ、そうなんですか!?」
チカはそれを聞きまた驚いた。
「初耳ですよ、それ」
「貴女の知らないことも多くあるということです」
「意地悪いなあ、御主人様は」
それを聞いて不平を漏らす。
「いつもそうやって肝心なことは教えてくれないんだから」
「そのうちわかることですから」
シュウはうっすらと笑ってそう言葉を返した。
「私が言わなくても」
「そうなんですかね」
「そうですよ」
「まあそれならいいですけれど。けれどそろそろ」
「はい」
話を終えシュウとネオ=グランゾンは姿を消した。そしてそこには何も残ってはいなかった。
第四十二話 完
2005・9・3
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