第四十二話 召還者
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れてみるか」
「ケン太の為にもね」
「了解」
「そういや最近ケン太はOVAや他の子供達といつも一緒にいるな」
「そういえばそうね」
「ロンド=ベルに合流するまではずっと俺達と一緒だったのにな」
「キリー、妬いてるの?」
「そういうふうに見えるか?」
「見方によってはね。どうなの?」
「否定はしないな」
彼は口の左端を歪めてそう答えた。
「何か寂しいのは事実だな」
「またキリーらしくない言葉だな」
「俺はこう見えても繊細なんでね」
「そうなのか」
「側に可愛い子がいないと寂しいのさ。子供でもな」
「何かその表現危険じゃないかしら」
「ん!?そうか!?」
「ええ、何となくね。気をつけた方がいいわよ」
「そうだな。俺も結構そう言われることがあるしな」
「御前はまた運がないだけだろ」
「おい、それは言わない約束だぞ」
「ははは、悪い悪い」
グッドサンダーの三人はそうした軽いやりとりをしてリラックスしていた。だがケン太はそうはいかなかった。
「えっ、またあ!?」
彼はOVAから出された宿題の山を見て嫌そうな顔をしていた。
「ケン太君、勉強だけは忘れてはいけませんよ」
OVAはそんな彼の顔を見て嗜めた。
「少年老い易く、学成り難しです」
「それでも多過ぎないかなあ」
「多いにこしたことはないですよ。人生は常に勉強です」
「学校の勉強だけじゃなくて?」
「はい」
OVAは頷いた。
「何でも勉強ですよ。ビムラーのことも」
「そうなんだ」
「だから頑張って下さい。身体だけ鍛えてもよくはないです」
「ふうん」
「頭も鍛えないと。いいですね」
「わかったよ。じゃあこれをしなくちゃいけないんだね」
「はい」
「じゃあとりあえず今日はこれをするよ」
「私も側にいますから。頑張りましょう」
「うん」
こうして彼はOVAと一緒に勉強に取り掛かった。二人で真剣に取り組むその姿はまるで母子のようであった。
「何かいい光景だな」
マサキがそれを見て目を細めていた。
「ああして勉強して、それを教えるってのはな」
「マサキって勉強できるの?」
「俺は体育だけだったけれどな。まあそんなことはどうでもいいじゃねえか」
ミオにそう答える。
「どっちにしろ今の俺にはあまり関係ねえよ」
「そうね。プレシアちゃんって一人でもお勉強できるし」
「しっかりした妹を持つとな。兄貴はすることがねえんだよ」
「そのかわりに妹は大変だったりして」
「おい、そりゃどういう意味だ」
「にひひひひひひひ」
「ミオ、おめえ最近特に性格が悪いぞ」
「あたしは元々そうなんだから。気にしない気にしない」
「気にするよ。ちょっと待って」
「鬼さんこちら」
二人はそんなやりとりをしながら廊下から消えた
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