第四十二話 召還者
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だったがその心は病んでいた」
「マッドサイエンティストってやつだね」
「そうだな。それに近いか」
「で、そいつがどうしたんだい?」
「ラングランにおいて禁じられていた秘術に手を出した。そしてそれにより追放された」
「何かよくある話だね」
「ドクター=ヘルに近いな」
「そうかもしれない」
ヤンロンは甲児の言葉にも頷いた。
「長い間行方不明となっていたがバゴニアにいることがわかったのはつい最近のことだ」
「そうだったんだ」
「対策を考えている間にシュテドニアスとの戦いに入ってしまってな。有効な手を打てずにいたんだ」
「で、そいつが今バゴニアで何かしようとしてるんだね?」
「具体的にはラングラン侵攻です」
「やはりな」
「ラングランに復讐する為に。バゴニアにとっては侵攻のよい口実になります」
「ちょっと待ってよ、ラングランに侵攻するの?」
「はい」
シュウはリューネに対してこう応えた。
「バゴニアは長い間ラングランと対立関係にありましたから。シュテドニアスと同じく」
「だからって。国力に差があり過ぎるじゃない。そんなことしてもバゴニアが勝てる筈ないよ」
それはラ=ギアスにおいては誰でもわかることであった。ラングランとバゴニアは対立関係にあるとはいえその国力差ははっきりしている。シュテドニアスとの戦いで疲弊しているとはいえその差は歴然たるものがあった。
「それはバゴニアの者もわかっています」
「じゃあ何で」
「彼等が正常な状態ならば、です」
「それはつまり・・・・・・」
「ゼツが彼等を洗脳したということか」
「はい。だからこそ彼の考えが通ったのです。今バゴニアは全軍を挙げてラングランに雪崩れ込もうとしております」
「まずいね」
「ですから貴方達の御力が必要なのですよ。バゴニアを止めて頂きたいのです」
「そしてゼツを倒す」
「そうです。やって頂けますか」
「本来なら御前の誘いは乗るわけにはいかないが」
ヤンロンは一言そう断ったうえで述べた。
「どうやらそうも言ってはいられない状況のようだな。わかった」
「有り難うございます」
「それでは行こう。ラングランでの場所は何処だ」
「王都です」
「まずはフェイル殿下に御会いしてからか」
「ええ。それならば何かと問題も生じないと思いますが」
「わかった。それでいい」
ヤンロンはそれに頷いた後で後ろを振り向いた。
「皆はどう思うだろうか」
「どっちにしろほっておくわけにもいかねえだろ」
まず甲児が言った。
「そんなやばい野郎はよ。倒すしかねえぜ」
「そうだな。俺もそう思う」
隼人もそれに賛成した。
「とりあえず今はそのやばい爺さんか親父かわからんのを始末するべきだ。ラ=ギアスのことも重要だからな」
「しかし地上のことはど
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