第四十二話 召還者
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ちに曇っていった。
「それは本当ですか!?」
「はい、どうやら確かな情報らしいです。何でもあそこでまた厄介なことをしようとしているとか」
「ではこれで決まりですね」
「戻りますか?」
「はい。ですがその前にオルファンに向かいましょう」
「結局そうなるんですね。やれやれ」
「仕方ありません。どのみち彼等の力は必要ですから」
「それが嫌なんですよねえ。あの方向音痴もいますし」
「ふふふ」
小鳥の嫌そうな声を聞きながら男は笑っていた。
「そんなに嫌ですか」
「勿論ですよ、側に猫が絶対いるし。あたしにとって猫ってのは天敵なんですよ」
これは鳥であるから当然であった。鳥にとって猫は天敵であるのだ。
「おまけに黒豹や狼までいるし。物騒なことこの上ないですよ」
「大丈夫ですよ、それは」
男はそう言って小鳥を宥めた。
「いざとなったら私の影に隠れればいいですから」
「お願いしますよ、本当に。何かあってからじゃ遅いですから」
「わかってますよ、だから安心して下さい」
「頼りにしてますよ、御主人様」
そんなやりとりを終えてその玄室から消えた。彼等は何処かへと姿を消したのであった。
その頃ロンド=ベルは再びオルファンに向かっていた。だが今度は彼等との戦いの為ではなかった。
「全く人使いが荒いな」
真吾は自室でそうぼやいていた。
「今度は救援か。オルファンってのは的みたいだな」
「言いえて妙だな。あんなに目立っちゃ仕方ないな」
キリーがそれに応えてこう言った。
「出る杭は打たれるってね。日本の諺だったな」
「よく知ってるな、キリー」
「伊達に自伝書いてるわけじゃねえぜ。これでも文章は勉強してるんだ」
「その自伝売れるといいわね」
レミーが笑いながら話に入ってきた。
「楽しみにしてるわよ、キリー」
「まあ書き上がるのはまだ先だがな」
「何だ、まだ書いていないのか」
「文章ってのはな、推敲が大事なのさ。どういった素晴らしい文章にするか」
「ストーリーもじゃないの?」
「俺の人生を俺が書くんだぜ、ストーリーは最高なものに決まっているさ」
「あら、そうとも限らないんじゃないの?」
「レミーは辛口だね、本当に」
「綺麗な薔薇には棘があるのよ」
「おやおや」
「それで今度の敵は誰なんだ?」
「何でもドクーガらしいぜ」
「そうか。連中と会うのも久し振りだな」
「まぁたあの三人が一緒でしょうね。懲りないこと」
「懲りるのなら最初からドクーガには入ってはいないだろうな」
「言われてみればそうなのよね。頭にそうした考えがインプットされていないのかしら」
「悪役は不滅なのさ、特に連中みたいなのはな」
「やれやれといったところだな、全く」
「頼りにしてるわよ、真吾」
「じゃあ頼りにさ
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