第三十九話 火星の影
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「ネオ=ジオンとは縁があるね。どういうわけか」
「本当ね。皮肉なものだわ」
ツグミは悲しい顔になった。
「ここにいる人の多くがそうだから言ってはいられないけれど」
「ああ」
アイビスは答えながら星を見た。星は何も語らず銀河に輝いていた。
「こんなに綺麗なのにな、星は」
「そうね」
ツグミもそれを受けて星に目をやった。
「人間ってのは戦い続ける。因果なものだよ」
「そうね。けれど戦いは何時か終わるわ」
「終わるのかな、本当に」
アイビスはそれを疑問にすら感じた。
「こんなに激しいのに」
「どんなことでも終わりがあるから。この戦いも」
「そう思いたいね」
「それでこの戦いが終わったらどうするの?」
「どうするって?」
アイビスはツグミに顔を戻した。
「どうすればいいと思う?ツグミは」
「遠い何処かに行かない?二人で」
「遠くへか」
それを聞いて虚空に目をやった。
「悪くはないね、それも銀河の遥か彼方へ」
「何があるかわからないけれど。行ってみる」
「ああ、行こうか」
彼女はそれに応えた。
「二人でね」
「若しかするとまだ増えるかもしれないけれど」
「?誰だよ、それ」
「それは秘密」
「わからないこと言うね、全く」
「ふふふ」
そんな話をしながらも次の戦いの時は迫っていた。アイビス達にとっても正念場が近付こうとしていたのであった。
第三十九話 完
2005・8・15
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