第三十八話 バイタル=ネット
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「おっと、今更母親面はするなよ」
憎悪に満ちた目で母を見る。
「あんたは息子を捨てた女だからな」
「どういうことなんだ」
ゲイブリッジがそれを聞いて疑問の言葉を漏らした。
「男と愛を育てるのを面倒がった女は子供を育てるのも面倒だったんだ」
彼は言った。
「だから俺を捨てて仕事に逃げたんだ!」
「違うわ」
アノーアは首を小さく横に振ってそれを否定した。
「ジョナサン、貴方は私の母よ」
「今頃そんなこと言うな!」
ジョナサンは叫んだ。
「あんたの言うこtなんて信じられると思うか!」
「それは・・・・・・」
「指揮権を渡せ!」
彼はまた叫んだ。
「そして俺はこのノヴァイス=ノアを・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
アノーアはそれには答えなかった。だがそのかわりか後ろにあるスイッチを背中向けに押した。それと共に艦内をサイレンが木霊した。
「何を!?」
「非常スイッチを入れました」
アノーアはそう答えた。
「これでこの艦の全ての操作は私の肉音のみとなります」
「クッ」
「ジョナサン、貴方の思い通りにはなりません」
「やるね、ママン。なら」
ジョナサンは次の手に出た。
「きゃっ!」
「来い!」
アカリを抱き抱えた。
「悪いが御前には人質になってもらう!」
そして艦橋を後にした。途中でクマゾーも捕まえ、二人を連れて甲板に出た。
「来たな」
後ろを振り向く。そこにはアノーアがいた。
「ジョナサン」
「フン」
「私が人質になります。子供達を解放しなさい」
「あんたの考えは読めているよ」
彼は憎悪に燃えた目で母親を睨んでいた。
「子供達を解放した後で俺を撃つつもりだろう。違うか?」
「息子を撃つことはありません」
「嘘をつけ!」
だがジョナサンはそれを否定した。
「あんたはそういう女だ!あんたにとって俺は単なる実権の道具だったんだ!」
「貴方は私の息子です」
「白々しい演技を!」
またもや叫んだ。
「もう騙されるか!甲板に俺を追い込んだのもここなら爆発の被害が少ないからだろう!あんたはそういう打算で全てを考える女なんだ!」
「ジョナサン!」
「俺の名を呼ぶな!」
彼は叫び続けた。
「子供を産むことまで計算する女が!」
「艦長!」
アノーアの後ろから複数の声と足音が聞こえてきた。
「ジョナサン!」
「勇か!」
「貴様、どうしてここに」
「話は長くなる。だが言っておく」
「何をだ!?」
「俺は御前とは違う、俺は自分の目的の為なら自分の母親だって殺してみせる」
「母親!?」
「そうさ」
ニヤリと笑ってそう答えた。
「母親だってな」
「どういうことなんだ」
「彼はアノーア艦長の息子なんだ」
ゲイブリッジが勇達
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