第三十七話 十三人衆
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んだ」
「ホンットにこの人は素直じゃないねえ」
サブロウタが茶化しながら言った。
「まあいいさ。それで話を変えるけれどよ」
「何だ?」
「今回のネオ=ジオンの指揮官はデラーズ少将だったよな」
「確かそうだったわね」
セシリーがそれに頷いた。
「他にも名のあるパイロットが大勢いるみたいだけれど」
「ハマーン=カーンは来ないのかね、こんな重要な作戦なのに」
「ハマーンだってそうそう動けないんじゃないかな」
ナナが言った。
「あの人も忙しいし」
「果たしてそうかね」
「?サブロウタ、何か引っ掛かるのか?」
「あ、いや」
アキトの言葉に声を濁す。
「ちょっとね、気になっただけで」
「気になる」
「前の戦いじゃよく陣頭指揮を執っていたらしいからね、あの人。今そうしないのが不思議でね」
「ネオ=ジオンも変わったからな」
それに対してデュオが言った。
「どういうことなんだ、それは」
「今ネオ=ジオンはザビ家の者が殆どいない」
ウーヒェイがリョーコに答えた。
「残っているのはドズル=ザビの遺児であるミネバ=ザビだけだ。だが彼女はまだ子供に過ぎない」
「ハマーンは確か彼女の摂政となっている筈です。だからそうそう表には出られないのでしょう」
「そういうことだったのか」
サブロウタはトロワとカトルの言葉に頷いた。
「ネオ=ジオンもネオ=ジオンで大変なんだねえ」
「そこに派閥があったりして」
ヒカルがあっけらかんとした声で言う。
「そうなったら漫画みたいで面白いですよね」
「こらこら」
そんな彼女をファが嗜めた。
「そんな上手い話があるわけないでしょ」
「いや、あるかもな」
「カミーユ」
「ネオ=ジオンは元々ギレン=ザビとキシリア=ザビで派閥があった。それは一年戦争でガルマ=ザビが死んでから表面化しだした」
「・・・・・・・・・」
クワトロはそれを沈黙して聞いていた。一言も発しない。
ガルマ=ザビはジオンにおいては若いながらそのバランスのいい能力と温厚で誠実な人柄、そしてカリスマ性により将来を期待されていた。兄弟の間でも評判がよくとりわけ父デギンと次兄ドズルは彼を可愛がっていた。しかし北米での戦いで命を落した。それはザビ家にとっては大きな痛手であったのだ。彼の死そのもの以上に。
「そして今もハマーンとデラーズの部隊では根本的に何かが違うと思うんだ」
「デラーズのところには旧ジオンの者が多いようね」
フォウが言った。
「黒い三連星やアナベル=ガトー。大体デラーズ提督の下にいるわね」
「そして若い士官達はハマーンの下に」
カミーユがそれに続いた。
「分裂する可能性はあるな」
「いや、それはないな」
だがそれはライトが否定した。
「またそりゃどうしてだ?」
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