第三十六話 宇宙へ
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。火星の後継者達は先程アタリアに攻撃を仕掛けていたな」
「はい」
「彼等にも回ってもらうか。だが北辰衆はこちらに戻ってもらう」
「何故でしょうか」
「あの者達は信用できん」
そう答えるハマーンの顔が険しくなった。
「腹の中に何かあるかも知れぬ。油断するな」
「はい」
「彼等にはティターンズに向かってもらおう。シロッコへ向ける」
「シロッコにですか」
「毒を以って毒を制すということだ」
ハマーンの目がさらに険しくなった。
「よいな。彼等は毒だ」
「はい」
「毒は毒の使い方がある。もう一つの毒もな」
「もう一つの毒!?」
「あ、いや」
だがハマーンはここで言葉を濁した。
「何でもない。気にするな」
「わかりました」
「それでゼクスにはコロニーの方へ回ってもらいたい」
「ライトニングカウントもですか」
「ヒイロ=ユイもいる。おあつらえ向きだろう」
「ですが彼もまた」
「少なくともあの男は毒ではない」
イリアの言葉を遮るようにしてそう述べた。
「我等にとってはな。そして彼等にとっても」
「彼等にとってもですか」
「そうだ。毒ではない。それはわかるな」
「はい」
しかしこの時イリアはハマーンの言葉の意味を少し取り違えていた。彼等とは何であるのかを。あえてはぐらかせたハマーンの話術であった。
「この作戦に我等の第一段階がかかっている」
「はい」
「その次に地球に降下するぞ。目標はアフリカだ」
「了解しました。中央アジアにいるギガノス、ヨーロッパにいるティターンズに対抗する為にも」
「頼むぞ。御前にも行ってもらうからな」
「マシュマー殿やキャラ殿もでしょうか」
「無論だ。そしてグレミーやラカンにも行ってもらう」
「了解しました」
彼女は己の手勢を全て地球に送り込むつもりであった。
「後で私も行くことになるだろうからな」
「ハマーン様も」
「ミネバ様と共にな。連邦の腐った屍達に我等の正当性を見せつけるのだ」
「ですがそれは」
「私が今まで過ちを犯したことはあるか?」
諫めようとするイリアを見て自信に満ちた笑みを浮かべた。
「あれば遠慮なく申し出てみよ」
「いえ」
イリアはそれに対して首を横に振った。
「ハマーン様に限ってそれはありません」
「ふふふ」
彼女の待っていた答えであった。彼女は自信に満ちた笑みをたたえ続けた。
「私の手でザビ家は復活するだろう。ミネバ様を頂点とするな」
「はい」
「その時は近い。イリア、御前にも思う存分働いてもらうぞ」
「御意」
イリアは彼女に対して敬礼した。そしてその場を後にした。ハマーンが一人広い部屋に残る形となった。
「デラーズ、そしてガトーに任せておけば問題はないか」
彼女は星の大海を見ていた。そしてその
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