第三十五話 冥王、暁に出撃す
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「自分達もその一つとは考えてねえのかよ」
「それがわかる程周りが見えていたらジオンには入らねえさ」
オザワがややシニカルにそう述べた。彼はどうやらジオンが嫌いであるらしい。
「ギレン=ザビの狂信者がそれで何の御用件かね?全く」
彼のシニカルな言葉は続いた。冷たい顔でデラーズの演説を聞く。
「今こそ腐った連邦政府、そして地球を蝕む者達に鉄槌を下す時だ!」
「ギレンと同じだな」
オザワはシニカルな突込みを入れた。
「我々は今ここに宣言する!地球に正義の鉄槌を下すと!」
「どうするつもりだ!?」
「これより地球に対してコロニー落としを敢行する!これから四十八時間後にだ!」
「何だと!」
オザワだけではなかった。それを聞いて全ての者が驚きの声をあげた。
「彼等とは縁も所縁もない者達のことを考慮し、四十八時間の猶予を与える!その間に連邦政府の者達も逃げるかも知れない!だがそれは彼等が嘲笑を受ける根拠となるだろう!臆病者として!」
「何勝手なこと言ってやがる!二日かそこらで逃げられるわけねえだろうが!」
タダナオがそれを聞いて激昂した。
「あいつは馬鹿なのかよ!一体どういうつもりだ!」
「粛清だな」
フォッカーが言った。
「粛清」
「そうだ。ネオ=ジオンに反対する者達に対してな。地球はネオ=ジオンを快く思わない者が多い」
「そりゃそうでしょ。一年戦争の時にはかなりやられましたから」
「だからだ。地球にいる多くの者は彼等にとって敵だ。だからコロニー落としをしようというのだ。ネオ=ジオンの力と決意を知らしめる為にもな」
「それで何十億人が犠牲になっても」
「ジオンにとってそんなことは関係ない」
フォッカーはまた言った。
「そうじゃなきゃ一年戦争なんてはじめからしないさ。そうじゃないか」
「ですね」
二人はそれに頷いた。かってジオンは一年戦争の折毒ガスにより多くの人々の命を奪った。そしてコロニー落としを行い、オーストラリアを破壊した。それがジオンのやり方であった。
「ぞれがジオンだ。わかってるとは思うが」
「はい」
「さて、どうするかな」
フォッカーは考える顔をして言った。
「これはえらいことになってきたぞ」
「フォッカー少佐、ここにおられたのですか」
「ルリちゃん」
ルリがそこにやって来た。
「タダナオさん達も。丁度いいです」
「集合か?」
「はい」
ルリはタダナオにそう答えた。
「すぐに集まって下さい。ナデシコのオペレーションルームです」
「わかった。じゃあ行くか」
「はい」
彼等はそれに頷いた。そしてナデシコのオペレーションルームに集合した。
「話は聞いていると思う」
まずブライトがそう言った。
「ネオ=ジオンが地球に対してコロニー落としを行おうとして
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