第十八話 海辺の死闘その二
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「その中で外道衆はかなり凄いけどな」
「ジャカンジャもオルグも困ったものだな」
「まあうちの連中もな」
「特に千明と源太には困ったものだ」
とはいっても爺の目は温かい。まるで我が子を見るかのようである。
「あれで全然頭が動かんしな」
「殿も血気にはやるしな」
「さて、それにしてもです」
先生はスフィンクスが出している巨大な鏡から戦いを見守っていた。それは他の面々も同じである。それぞれお茶にお菓子を楽しみながら観ている。
「皆さんには頑張ってもらいたいものですね」
「そうですね。そして」
ここでスフィンクスは自分の左手を見た。するとそこにいたのは。
「貴方も帰ってきましたか」
「この世に戻って来られた」
「はい、久し振りですね」
そこにいたのは大柄で頭が広くぼこぼことした形になっている男だった。その姿は人間のものではない。だが声もその目も優しいものであった。
「ティターン」
「スフィンクス、元気そうで何よりだ」
「はい、貴方も」
お互いに言葉を交えさせるのだった。
「十冥神はこれで全て戻ってきましたね」
「そうだな」
「あれっ、けれどどうしてなんですか?」
「どうしてなんですか?」
ナイとメアはティターンズの姿を見てそれぞれ首を傾げさせていた。そのうえで考える顔になっている。顔は右から左に動いている。
「ティターン様を蘇らせたのは」
「蘇らせたのは」
「誰ですか?」
「ですか?」
「あのロンという男だ」
彼だというのである。
「あの者がその力で俺を蘇らせてくれたのだ」
「そうですか。ロンがですか」
「十冥神も全て揃ってこそまことに楽しくなるとな」
「そう言ってですね」
「そうだ」
まさにその通りだというのである。
「それでだ」
「ロンの気配りでしょうか」
「それはわからない。だが俺は蘇らせてもらった」
そのことは事実なのだというのだ。
「それはだ」
「はいそれは確かに」
スフィンクスもその事実に対して頷いてみせる。
「紛れもなくですね」
「俺はもう戦うことはしない」
今度はこう言うのだった。
「最早それには興味はない」
「ではここで」
「観させてもらいたい」
それが彼の今の望みだった。
「彼等の戦いをだ。特に」
「マジピンクですか」
「あの娘には色々なことを教えてもらった」
このことも言うのであった。既に彼の席とお茶、お菓子が用意されていた。用意したのはナイとメアである。二人もそれなりに気を使えるようになっている。
「その戦いを見せてもらいたい」
「だからこそ今ここに」
「そうだ。そしてスフィンクスよ」
「ええ」
「よければだが」
あらためて彼女に言うのである。
「また戻っていいだろうか」
「インフェルシア
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