第三十三話 恐竜帝国の最後
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情を曇らせた。
「皆、待たせたな」
やがて大空魔竜に着艦した竜馬が出迎えてきた仲間達にそう声をかけた。
「心配させやがってよ」
甲児が笑顔で悪態をついていた。
「これで死んでたらどうするつもりだったんだよ。ヒーローになるのはおめえだけじゃねえんだぞ」
「ははは、済まない」
隼人が珍しく笑った。
「ただな、あの時はああするしかなかったからな」
「ああ、わかってるさ。よく戻ってきたな」
「有り難うよ、甲児」
「だがそうもばかり言ってはいられないようだな」
弁慶の言葉が終わるとピートがそう述べた。
「武蔵はどうしたんだ。一緒じゃなかったのか」
「それは・・・・・・」
三人はその問いに表情を暗くさせた。
「あいつは一人で戦場に残った。そしてダイを・・・・・・」
「そうか」
「生きていると思いたいがな」
「おい、何辛気臭えこと言ってるんだよ」
それを聞いて甲児がまた言った。
「あいつがそう簡単に死ぬわけねえだろ、安心しろよ」
「甲児・・・・・・」
「今にも戻って来るんじゃねえのか?そこによ」
「甲児君、気持ちはわかるが」
そんな彼を大介が嗜めようとする。
「僕達は戦っているんだ。犠牲もまた」
「大介さんまでそう言うのかよ」
甲児はこの時意地になっていた。
「俺は信じてるぜ、あいつを。ほら、今にもここに」
「甲児君・・・・・・」
「来るんだよ、だから待とうぜ」
だがブラックゲッターは姿を現わさない。誰もが悲しい顔になった。
「戦いには勝ったが」
神宮寺が言った。
「犠牲はあまりにも大きいものでしたね」
「おい、麗さんまでそう言うのかよ」
甲児がそれにくってかかった。
「そんな筈ねえだろ、あいつは絶対・・・・・・」
「甲児・・・・・・」
今度は竜馬達三人が彼に声をかけた。
「有り難う。けれど・・・・・・」
「御前等までそんなこと言うのかよ」
「気持ちは有り難いがな。あいつは・・・・・・」
「先輩・・・・・・」
「それ以上は言わない方がいいわ」
そんな三人をフォウが慰めた。
「それ以上言うと」
「フォウ・・・・・・」
「二度と会えなくなるかも」
「いえ、それは違うよ」
ヒメが言った。
「ヒメちゃん」
「武蔵さんね、こっちに戻って来るよ、絶対」
「そう思いたいけれどな」
「ううん、本当だよ。だって武蔵さんの心私に届いたから」
「心!?」
「そうだよ。武蔵さん今こっちに来てる。青いマシンに助けられて」
「青いマシン」
それを聞いてマサキ達がすぐに反応した。
「またあいつか」
「一体どういうつもりだ」
「その人がね、武蔵さんを助けてくれたよ。もうすぐ武蔵さんこっちに来る」
「そうなのか」
それを聞いた竜馬達の顔が晴れやかに
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