第67話 霊帝の勅命
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霊帝は左豊を睨みつけて、声高に虎賁郎に言いつけました。
「へ、陛下、こ、これは何かの間違いで、ご、ございます」
左豊は霊帝に縋り付こうとしましたが、霊帝に払い除けられました。
「この無礼者が!朕に触れるでない!さっさと首を刎ねてしまえ!」
左豊は数人の虎賁郎に引きずられながらつれていかれました。
このとき張讓は苦虫を噛んだ表情で私を睨んでいました。
「劉ヨウ、あの痴れ者が何故、逆賊の討伐を邪魔したというのか説明せよ」
「はっ!謹んでご説明させていただきます。左豊は盧北中郎将の元に視察した際、彼女に賄賂を要求しております。しかし、彼女はそれを拒否した為に、左豊は腹を立て、陛下に讒言を上奏いたしました」
私は左豊が盧植について行ったことを霊帝に言いました。
「して、その証拠は?」
霊帝は厳しい顔で私に言いました。
「私は左豊を以前より汚職の嫌疑で監視し、盧北中郎将の視察の折も、私の手の者を送り込んでいました。左豊は彼女だけでなく、校尉以上の官職にある者にも賄賂を要求していました。その中で、黄巾賊討伐の暁の報償に手心を加えることを約束した念書を取り交わした者がいましたので、その者の念書を強奪し、ここに持参いたしました」
私は証拠の品である念書の布を霊帝に献上しました。
霊帝はその布の内容を読むと手を震わせて憤怒の形相をしていました。
「劉ヨウ、話を続けよ」
霊帝は私に話を続けるように促しました。
「盧北中郎将は黄巾賊を押さえ込み討伐は順調でしたが、左豊の愚かな欲望により、黄巾賊は息を吹き返しております。それというのも、後任の董東中郎将の黄巾賊の討伐が遅々として進んでいないためです」
「もうよいわ!おのれ、あの痴れ者めが!朕の顔に泥を塗り追って!」
霊帝の怒りは収まらないのか、玉座から立ち上げって調度品を蹴っていました。
「陛下、お待ちください。その念書のみで左豊が盧北中郎将を貶めたことの証拠にはなりませぬ」
張讓が霊帝に言いました。
「張讓殿、それは違います。左豊は賄賂を差し出さない者に濡れ衣を着せ、差し出し者には手心を加える。このようなことを繰り返している人物が盧北中郎将にのみ賄賂を要求しない可能性の方が低いのではありませんか?左豊は彼女と会談した後、周囲を憚らず悪態をついていたと報告もございます。良い機会です。それを聞いた者達をこの場に呼ばれますか?」
私は悠然と張讓に言いました。
張讓は怒りに満ちた表情で私を睨みました。
「二人とも控えよ!劉ヨウ、大義であった。お前に申し付ける。盧植を直ちに牢より出し、任地に戻るように命じよ」
霊帝は私に向かって言いました。
「陛下、それはなりません。今、盧北中郎将を開放
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