第三十二話 恐竜帝国の侵攻
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第三十二話 恐竜帝国の侵攻
誰かが闇の中から彼を呼んでいた。それは女の声であった。
「司令」
(俺が司令?)
彼はそれを聞いて不思議に思った。
(馬鹿な、俺は司令ではない。どういうことなんだ)
「マーグ司令」
だが声はそう言っていた。それは確かに彼のことを呼んでいた。
(俺を呼ぶのは誰だ?)
今度はこう思った。
(俺を司令と呼ぶ。君は一体誰なんだ)
気になり目を覚ました。するとそこに彼女がいた。
「ようやく目覚められたのですね」
そこには青緑のショートヘアの美少女がいた。丈の短いスカートを身に着けている。
「君は」
マーグはベッドに寝ていた。そして彼は彼女をそこから見上げていたのだ。見れば少女は彼を見て微笑んでいた。
「私はロゼです」
「ロゼ」
「はい。バルマー帝国銀河辺境方面軍第八艦隊副司令です」
「バルマーの」
「はい」
ロゼと名乗った少女は答えた。
「そして第八艦隊だって」
「御存知ないですか」
ロゼはここでマーグに問うてきた。
「何を」
「第七艦隊は全滅してしまいましたから」
「そうなのか」
「はい、地球で。そこの原住民達によって全滅させられたのです。ラオデキア=ジュデッカ=ゴッツォ士師はその際に戦死されたようです」
「ラオデキア司令とは」
「マーグ司令」
ロゼはそれを聞いて悲しい顔を作った。
「御友人のことをお忘れですか」
「友人。彼と私がか」
「はい。ラオデキア士師は司令の御友人でした。同じ士師としても互いに認め合っていたではありませんか」
「そうだったのか」
だがマーグには今一つよくわからない話であった。
「私にとっては重要なことなのだな」
「はい」
ロゼは頷いた。
「悪いがよく覚えていないが」
「貴方は地球への征伐の為に派遣されることになったのです」
「地球にか」
「そうです。ラオデキア士師、そして他の多くのバルマーの将兵の仇を取る為に。だからこそ今このヘルモーズに乗っておられるのです」
「ヘルモーズ?」
「我等がバルマーの艦隊の旗艦です」
「そうか。宇宙船なのだな」
「簡単に言いますと。巨大な艦ですよ」
「そうなのか」
だが実感は沸かなかった。
「どうも今一つよくわからないな」
「いずれおわかりになられると思います。地球のことと共に」
「そうか」
「ええ。ですから今暫くは私にお任せ願いますか」
「君に?何をだ」
「全てのことをです」
彼女は微笑んでそう言った。
「戦いのことも。宜しいでしょうか」
「悪いが私は今何もわからない」
彼は首を傾げながらそう答えた。
「だから任せるも何も。君に言われた通りにしよう」
「はい」
「それでは地球に到着したならばすぐに作戦
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