第三十二話 恐竜帝国の侵攻
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を開始してくれ」
「わかりました」
ロゼは笑みと共に応える。
「必ずや地球を我がバルマーの手に」
「わかった。バルマーの手に」
そう言いながら起き上がった。そしてベッドから出た。
「マーグ様、どちらへ」
「いや、何」
彼はロゼに顔を向けて言う。
「広い船らしいね、このヘルモーズは」
「は、はい」
ロゼは何故か戸惑いながら答えた。何故戸惑っているのか彼女自身にもよくわからなかった。
「その通りですが」
「なら色々と見て回りたい。これから地球までかなりの距離があるようだし」
「ええ」
「案内してくれたら嬉しいのだけれど。いいかな」
「私がですか」
それを聞いて今度は戸惑った。
「あの、司令」
「何だい?」
「あの、その」
何故戸惑っているかはやはりわからなかった。だがそれでも問うことはできた。そして彼女は問うた。
「本当に私なぞでいいのでしょうか」
「今ここに君以外で誰がいるというんだい?」
「それはそうですが」
先程までの冷静さは何処にもなかった。ロゼは不自然な程うろたえていた。
「ただ」
「ただ、何だい?」
「本当に私でいいのですよね」
「だから君以外に他に誰がいるんだい?」
「はあ」
何故か狼狽していた。狼狽しながら答える。
「それではお願いします」
「君が?」
「あの、何か」
「頼んだのは私だが。違ったのかな」
「あ、そうでしたね」
ロゼはまだうろたえていた。
「そうでした。それでは司令」
「うん」
「行きましょう。案内させて頂きます」
「頼むよ」
こうしてマーグはロゼの案内のもとこのヘルモーズの艦内を歩き回った。そしてゆっくりと地球に向かうのであった。多くの軍を共に。
ティターンズ、ドレイク軍が東欧を制圧し、ギガノス軍が中央アジアを中心に暴れ回っていた頃北米においては一つの勢力がその牙を見せようとしていた。
「キャプテン=ラドラよ」
「ハッ」
地底から声が聞こえてきていた。
「シカゴの防衛はどうなっているか」
「かなり手薄となっております」
声はそう答えた。
「そうか。遂に時が来たな」
「はい」
声はまた答えた。
「これよりシカゴを制圧する。よいな」
「わかりました」
「先鋒はそなたとする。必ずや制圧せよ。失敗は許されんぞ」
「無論承知のこと。では帝王ゴールよ」
「うむ」
「必ずや地上を再び我等が手に」
「頼むぞ」
彼等はそう言うと闇の中に消えた。そして闇の中で何かが蠢く音がした。
ローマでの戦いの後ロンド=ベルは南フランスの保養地であるニースにいた。ここでほんの骨休みであった。
「たまにはこんなのもいいね」
万丈はレストランでフランス料理を楽しみながらそう言った。
「今まで戦ってい
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