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人狼と雷狼竜
ユクモ村にて自己紹介と……
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隣に立っていたヴォルフを見上げる。
「ほ! これが件の上級ハンターかぃ! あのちっこい小僧っ子がようもまぁでっかくなりよってからに!」
 老人はそう嬉しそうにケラケラと笑ってみせる。ヴォルフの事を知っているようだ。
「アンタも俺を知っているのか?」
「おう! お前さんたぁ話したこたぁ無ぇが、親父とならなぁ! お前さん……顔立ちは母親似だが髪の色とかぁ背丈とかぁ親父に似たんだなぁ! 目付きなんかそっくりだぁ」
 老人そう言っては何処か遠くを見始める。過去を思い出しているんだろう。
「そういやぁお前さんはぁ今まで仕留めて来た獲物はどうしたん?」
 要するに武器とか鎧に加工はしなかったのか? と聞いているのだ。
「一応あるにはあったが破損して使い物にならなくなった」
「……なにやら相当まじぃモンとやりあったようだなぁ?」
 老人は察したらしく、急に鋭くなった目でヴォルフを見る。上級ハンターのヴォルフが鎧を失ったほどの相手が、如何なる者かを探っているような目だ。
 周囲の三人娘は二人の間に生じた張り詰めた雰囲気に口を出せないようだ。
「しかしお前さん。変わった得物ぉ持っとるのぉ?」
 会話がヴォルフが背負った刀に移った。ヴォルフの過去話には興味をなくしたのではなく、話さないだろうと察した為に話題を変えたのだ。
「片手剣でも太刀でもないなぁ? 太刀にしちゃあ刀身も柄も短すぎるし、片手剣にしちゃあ刀身も柄も少しばかり長い。そりゃあ両手でも片手でも振るえるように作られとるのぉ。それはお前さんの異端とされる剣術のためかのぉ?」
「……」
 ヴォルフは無言で腰に差した刀を手に取り老人に差し出した。
 老人は差し出された刀を恭しく受け取って鯉口を切った。
 現れた刀身は老人の背丈よりも若干短い位だ。鏡のように磨き上げられた刀身は茜色の光を反射して老人の顔を照らしている。
 刀身に描かれた刃紋は流麗。切っ先付近から鍔元近くまで彫られた溝は、寸分の狂いも無く見事に刀身の反りに合わせられている。
「見事な一振りよ。ワシもこれ程の物にお目に掛かるのは初めてじゃわい。良い物をもっとるじゃないかい。さぞや高名な鍛冶師が打ったのだろうな」
 老人は刀を納めてヴォルフに差し出した。
「いや、これは古代遺跡で発掘したものらしい。詳しくは話せんが、これは錆びる事も無く残っていたそうだ」
「古代遺跡?」
「ああ。親父が最後に探索した所だ。今は崩れてしまってどうにもならないそうだが。俺がハンターになった時に……親父は既に死んでいたが、親父が懇意にしていた鍛冶師がここまで仕上げてくれた。発見時は刀身だけだったらしくてな」
 つまり、最初は柄も鍔も鞘も何も無かったのだ。
「ふむ。お前さんはその刀を大事にしておるようじゃなぁ。有名になっても慢心しておらん良
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