ユクモ村にて自己紹介と……
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たか? そう思わせるほどに、神無と言われた少女の言葉は必死だった。
彼女の背後に居る男に視線を向けると、奴は何処か悔しそうな顔で俺を見ていた。そんなに俺を庇われたのが気に入らないのか?
「まぁまぁ。正太郎さんも落ち着いて下さい。ヴォルちゃんもここはお姉さん達に任せて下さいね〜」
「夏空(そら)さんまで!? てめぇ! 一体何も……ふもっ!?」
夏空と呼ばれた火砲を背負った女性まで神無に同意したので、いよいよ持って声を荒げようとした途端奇声を発して崩れ落ちた。
男の背後には小冬が立っていた。木の棒を脇に放って居る辺りアレで奴を殴ったのだろう。
「行くわよ。時間の無駄」
小冬が辛辣な言葉を吐くと神無の腕を取って村へ入っていき、神無はされるがままに村へ入って行く。
夏空はそんな光景を全く気にしていないのか、妹二人を追って村に入っていく。どうやら見慣れた光景のようだ。
男は両手で股間を押さえて蹲り、呻き声を上げている。どうやらあの木の棒は股間を殴ったようだ。同情する気にもならんが。
俺もすぐにその男への興味は無かったので、村に上がる事にした。
「まぁ。早速腕の見せ所でしたわね?」
例の如く、売店前で団子と茶を喰っていた村長に、ヴォルフは事の次第を報告した。
救助要請を出した三人が無事に戻った時はホッと息を吐いていたものだが、すぐに報告という事に相成った。
「もう聞いていらっしゃると思いますが、ヴォル君がギルドから召喚したハンターですわ。今回の件は彼に一任する事になっていますが、貴女達も彼の力になって頂けると嬉しいですわ」
「勿論ですよ!」
「はい!」
「……」
三人がそれぞれ賛成する。小冬は頷いただけだったが。
「でも……」
夏空が顔を曇らせる。
「何か問題でも?」
「ヴォルちゃん、私達の事覚えてないらしいんですよぅ〜。それがとても悲しくて……」
「うん」
二人の言葉を聞いた村長が細目のまま、眉毛だけ器用にを立たせてヴォルフを睨んだ。
「あらあら。ヴォルフさん。流石それはどうかと思いましてよ? まだ生まれてなかった小冬さんはとにかく、夏空さんと神無さんは貴方が小さい頃は家族ぐるみの付き合いで、ずっと一緒でしたのよ?」
糸目の村長が目を開いて、ヴォルフ諭すようにに語り掛けた。
「お母様が亡くなられてすぐに旅立ったときの貴方は三歳でしたわね? 無理もないとは思いますが、それでもこの子達のことは思い出して上げて下さい」
「ああ。努力する」
「そうですか。それでは、貴女達は一度着替えていらっしゃい。私はまだお話する事がありますし、貴女達は加工屋のおじじ様がお待ちでは無いですか?」
「あ、そういえば」
村長の言葉に、神無がポンと手を打った。
「倒したのはヴォルフさんですが、あ
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