4/14 謎の生物と場所
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には、この“声”は聞こえていない。何で、俺だけに…!
だが、今回の頭痛は昨日とは何かが違う。どこが違うとはハッキリ言えないけど、漠然とそう感じる。
「鳴月、どうした?」
陽介の声がした瞬間、頭痛と“声”が嘘のように消え失せた。
「い、いや、何でもない」
「そうか」
俺たちは再び歩きはじめると、ある一室に入った。
「お、この辺ちょっと霧薄くない?…圏外か。ま、当然か」
「テレビの中まで電波が来るとは、さすがにな」
「だな」
陽介は一応携帯を確認するが、当然ながら圏外。
さすがに、こんな異常な場所まで電波を届けてはくれないよな。さすがの、あの3社でも。
「さっさと行かないでよ。よく見えないんだから」
あっ、そういえば千枝を置いて行っちゃってた。後ろから文句を言いながら歩いていくる千枝に謝るため振り返ると、そこには異様な光景が広がっていた。
「絵…なに、ここ…。行き止まりだよ?出口なんてないじゃん!」
出口があると言った覚えもないが。
それはともかく、壁には何枚ものポスターが貼られており、そのポスター1枚1枚が顔の部分がはぎ取られていた。
さらに、壁の所々には黒く変色した赤いものがべっとりと付いていた。
…これは血、だな……。誰の血かは…知りたくないな。
「見た目も気味悪くなる一方だな…。! アーッ!つか、もう無理だぜ…!俺のボーコーは限界だ…!」
花村は部屋の隅の方に走っていくと、壁と向かい合って立った。
「ちょ、花村!何してんの!?」
「出さなきゃ、漏れんだろうが!」
「そこでやんの!?勘弁してよ…」
確かに。せめて、この部屋の外でやってくれよ…。
女の子の千枝がいる前でも出来るとは…。陽介、オトコだな。
「み、見んなよ…!見られてっと出ないだろ!ああああ〜出ねえええ!!膀胱炎なったら、お前らのせいだぞ!」
「知らねーっつの…」
陽介は社会の窓を閉めると、振り返る。
「にしても…何なの、この部屋?このポスター、全部、顔無いよ?切り抜かれてる…。メチャメチャ恨まれてる…とかってこと?」
そして部屋の中央には、天井からは吊るされた輪っかのある赤いスカーフ?と、その真下には椅子。
「この椅子とロープ…。あからさまにマズイ配置だよな…」
「ああ」
「輪っかまであるし…。これ、スカーフか?」
「ね、戻ろ…さっきんトコ戻って、もっかい出口探した方がいいよ…」
千枝の提案に俺たちは頷く。行き止まりだと分かった以上、ここにいる理由は無い。
それに、この部屋は精神衛生的にもよくなさそうだ。
ドアをくぐって戻ろうとした時、陽介がポスターを指差す。
「なあ、あのポスターってさ、どっかで……」
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