第三十一話 古都の攻防
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第三十一話 古都の攻防
サンクトペテルブルグでの戦いを終えたロンド=ベルはローマに向かっていた。その途中彼等に通信が入って来た。
「!?これは」
それを受け取ったシモンが怪訝な顔をした。
「どうした」
「ギガノスの通信です」
「ギガノスの」
それを聞いたシナプスも怪訝な顔になった。
「一体何だ」
「ええと、マイヨ=プラートとなっています」
「ギガノスの鷹」
ベンがそれを聞いて声をあげた。
「まさか彼が」
ダグラスもであった。二人はその名を聞いただけですぐに反応した。
「一体何だ」
「ええと」
シモンは二人に挟まれながらも冷静に答える。
「ケーン=ワカバと話がしたいとのことです」
「あの馬鹿とか」
ダグラスの言葉は容赦がなかった。
「物好きな。アスカみたいに喧嘩がしたいとでもいうのか」
「どうやら違うようですけれど」
「そうなのか」
「大尉」
ベンがここでダグラスに声をかけてきた。
「どう思われますか」
「放っておけ」
彼はそれに対してこう答えた。
「ギガノスだな。どうせ罠に決まっている」
「そうでしょうか」
「敵が対話を望んでくる時は大抵何かあるものだ。信用できん」
「それはどうでしょうか」
ここでモニターにルリが出て来た。
「ホシノ少佐」
「彼はそうした人ではないと思いますが」
「どうしてですか」
「マイヨ=プラート大尉は今まで私達に対して常に正面から向かって来ました」
「確かに」
ベンがそれに頷く。
「それに一般市民に危害を加えはしません。あくまで軍人として己を律しているように見えます。策略も用いたことはありません。そうしたことを嫌っているようです」
「つまりは生粋の軍人であると言いたいのですな」
「はい。ですから彼の今回の申し出は信用できると思います」
「ふむ」
ダグラスはそれを聞いてあらためて考え込んだ。
「では一度ワカバ少尉に話してみましょう。それでいいでしょうか」
「それでお願いします」
「わかりました」
ダグラスはケーンと話をした。これを聞いたケーンは意外といった顔であった。
「ギガノスの蒼き鷹が俺にかよ」
「そうだ、どうするつもりだ」
「どうするつもりって言われてもなあ」
彼はこの時自分の部屋でくつろいでいた。上は丸裸で下はトランクス一枚であった。
「どうしようかな」
「とりあえずは服を着ろ」
「あ、はい」
それを受けて服を着る。それから話に戻った。
「全ては御前の決断次第だが。どうするのだ」
「そうだな」
彼は暫し考えた後で答えた。
「とりあえず会ってみるのも面白いか。その申し出受けるぜ」
「そうか、わかった」
こうしてケーンとマイヨの会談の場が設
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