第三十一話 古都の攻防
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けられることになった。場所はコロセウムとなった。
「あの旦那も何考えてるかね」
タップがケーンの部屋に来てそうぼやいた。ライトも一緒である。
「さあな、あの人はどうも理想を追い求めている人みたいだしな」
「兄さんらしいといえばらしいけれど」
リンダは不安そうであった。
「けれどどうしてケーンと話をしようなんて思ったのかしら。それもいきなり」
「俺がエースだからかな。ロンド=ベルの」
「それだったらアムロ中佐だろ」
「うっ」
ライトにそう突っ込まれてたじろぐ。
「いくら御前さんでもアムロ中佐やショウ程派手に暴れちゃいないだろうが」
「比べる相手が凄過ぎるけれどな」
「じゃあ比べるなよ。俺はニュータイプでも聖戦士でもないんだからな」
「まあ俺達だってそうだけれどな」
「それなりに活躍はしててもな。だからこそわからないんだ」
「何でだよ」
「どうしてこれだけ大所帯のロンド=ベルからわざわざ御前を選んだのかな。あの旦那にしかわからないが」
「俺はわかっていないとでも言うのかよ」
「御前がわかってるなんて誰も思っちゃいないだろ」
タップがそう切り返す。
「もしかするとあの旦那もわかっちゃいねえかも知れないがな」
「訳わからねえな」
ケーンはどうにも話が掴めないでいた。
「あの旦那がわかっていなけりゃ話にもなりゃしねえだろうに」
「だからこそ話がしたいのかもな」
ライトは考えながらそう述べた。
「理解した為にな」
「またわからなくなっちまった。まあいいさ」
ケーンは開き直ることにした。
「とにかくあの旦那と話をするぜ。それでいいだろ」
「ああ」
「気をつけてね、ケーン」
「わかってるって」
最後はリンダの言葉ににこりと笑って頷いた。こうしてケーンは本隊より一足先にローマに入った。リンダも一緒であった。
「ここがローマか」
「ええ」
街を見回すケーンに対してリンダが答える。
「何かと古いもんが多いな」
「ローマだからね」
「あの向こうに見える城なんかいいな」
「サン=タンジェロ城ね」
「へえ、そういうのか」
「ローマじゃかなり有名な場所よ。一番上に天使がいるし」
「天使が」
「ええ」
「そりゃ面白いな。戦争じゃなきゃずっといたいな」
「戦争が終わったら行ってみたらいいわ」
「リンダとな」
「もう」
そんな話をしながらコロセウムに向かった。かって多くのグラディエーター達が血を流した場所でもある。そこにネクタイを締め、ベストを着た男が一人立っていた。
「・・・・・・・・・」
三人は互いに顔を見ても何も言わない。暫くそのままで時間が過ぎた。やがてケーンが口を開いた。
「なあ」
「何だ」
マイヨもそれを受けて口を開いた。
「俺と話がしたいそうだけ
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