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第四十三話 一難去ってまた一難
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とまで言われていたがソレイユは後半のことは頑なに否定していた。

『最強とは強さの最上であって無敵という意味ではない』

最強=無敵ではない、というのがソレイユの言葉だった。そのことを聞いたソレイユと親しい情報屋はその真意が読み取れず首を傾げ、彼が所属していたギルドのメンバーはその真意を理解しているのかわからないが特に何かを言うことはしなかった。
話が逸れたが、つまるところソレイユというプレイヤーは最強の剣士と呼ばれようとも、状況を見極め退く時は退くプレイヤーであるということである。ただ、そのライン引きが常人より逸脱しているに過ぎない。
しかし、さきほどから頭の隅に引っ掛かるものを感じていて、退こうとしてもそれが最良だとはどうしても思えなかった。

「(ウィドフニルってどっかで聞き覚えがあるんだがな・・・どこだったかな?)」

ウィドフニル、ウィドフニルと頭の中で眼の前のMobの名前を連呼していると、突如閃くものがあった。ここがAlfheimであり世界樹なるものがあるのだとしたらそれは十分に有り得る可能性であった。それと同時に二つのことが閃いた。

「なるほど・・・道理で、な・・・ならば、やることは一つしかないだろ!」

そして再びダメージが通らないMobに向かって斬りこんでいく。狙いは雄鶏の尾羽。それは推論にすぎないが、ソレイユはどこか確信を得ていた。



あれから、何とかウィドフニルを退けたソレイユは領地に戻り宿屋に向かっていた。途中でレヴィアとばったり出くわし軽く雑談を交わしたり、【エクリシス】を譲り受けた武器屋に赴き砥ぎを頼んだりといろいろした後、今に至る。

「強力な竜の討伐、火妖精の三将の一人のと決闘、挙句の果てに理不尽極まりないMobとのエンカウント・・・ホントに今日は厄日か?」

神話に関する知識はあれど神道に関する知識はあまりないソレイユが厄日に対してのお祓いなどできるはずもなく、ただただ今日日の不運を乗り切るしかほかなかった。今度神社に言ってお祓いでも受けようか、などと一瞬考えるがくだらないと感じその考えを捨てる。そこでこれ以上何かするとまたとんでもない厄が来そうなので、今日は何もしなければいいという結論に至った。

「もう、今日は何もしない・・・」

宿屋で部屋を取り、ベッドで横になるとメニューウインドウを開きログアウトしていった。



「はぁ・・・」

現実に戻るとさすがに強敵との連戦で精神的な疲れが襲ってきた。それでも気力を振り絞ってベッドから起き上がると飲み物を求めて冷蔵庫へと足を進める。もう少したてば日付は変わる時間帯であるため、電気をつけていないリビングに月明かりが眩しく輝いている。桜火は静かに輝く月を立ち尽くしながらじっと見つめている。

「どうした
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