新暦79年
準備期間
memory:41 風邪っぴき
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反省するようにポツリポツリと話す。
「ホントごめんな、二人に迷惑かけてもうて。こんなことがもうないように、もっと体を鍛えて……」
「しばらく絶対安静!」
「じょ、冗談やから」
いつもと違う悠莉の剣幕に驚き、少し顔をひきつらせた。
「まったく……」
ジト目でジークリンデを睨みながら悠莉は小さくため息をついた。
ぐぅ〜〜〜
「あ……」
「……そういえばお昼ご飯まだでしたね」
「私たちの分はおいといて、まずはジークの分だな。消化のいいお粥がいいかな?」
「……お願いします」
そして、ジークリンデにお粥を食べさせ、薬を飲ませた。
しばらくすると、薬が効きたようで寝息をたて始めた。
-side end-
-side 悠莉-
「とまあそんなわけで友達を私の部屋で寝かせてる。目が覚めたら一応診てやってくれない?」
「ええ、わかったわ」
陽が傾きだすと、仕事を終えた姉さんたちが次々と帰ってきた。
玄関にある見慣れないシューズを見て疑問に思っていたので昼間のことを伝え、シャマルにジークの診察を頼んだ。
「いやー、びっくりした。悠莉の部屋に見知らん女の子が寝とんやもんな」
「仕方ないでしょ、布団引くより早かったんだから」
……でも、よくよく考えたらジークだって女の子だし、風邪だとはいえ私のベットに寝せたのは悪かったかな?
「確かにな。で、悠莉とあの子の関係は? もしかしてコレか?」
にやにや顔で小指を立てる姉さん。
周りにいるみんなも興味津々といった様子でこっちを見てくる。
「友達だって言ったでしょ。というか、人に言う前に姉さん自身が作ったらどうなのさ。そんな浮いた話を聞いてみたいんだけど」
痛いところを突かれると「うぐっ」と声を漏らす。
「そ、それはどうと!」
「……逃げたな」
「だまらっしゃい! コホン、それはそうと真面目な話、あの子の親御さんに連絡入れんでいいんか? 心配もしとられるやろうし。というかあの子の名前は?」
「名前? ……ああ、言ってなかったけ。ジークリンデ・エレミア、それがあいつの名前で、一人暮らししてるから親御さんの連絡先なんて知らん。代わりにジークの姉のような人には連絡入れといた」
「ジークリンデちゃんか。……ん? エレミアって確か……」
「ゆーりちゃん、もしかして古代ベルカのあのエレミアですかぁ!?」
「そそ。確か黒のエリミアだっけ? その一族の子孫だってさ。ついでに言うと、連絡した相手もベルカの雷帝の末裔だよ」
「雷帝…ダールグリュン。それはまた不思議なもんやなぁ、この時代にベルカの末裔が集結するんは」
さっきまでの姉さんが一変し、真面目な表
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