暁 〜小説投稿サイト〜
もう一人の八神
新暦79年
準備期間
memory:41 風邪っぴき
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初


反省するようにポツリポツリと話す。

「ホントごめんな、二人に迷惑かけてもうて。こんなことがもうないように、もっと体を鍛えて……」

「しばらく絶対安静!」

「じょ、冗談やから」

いつもと違う悠莉の剣幕に驚き、少し顔をひきつらせた。

「まったく……」

ジト目でジークリンデを睨みながら悠莉は小さくため息をついた。

ぐぅ〜〜〜

「あ……」

「……そういえばお昼ご飯まだでしたね」

「私たちの分はおいといて、まずはジークの分だな。消化のいいお粥がいいかな?」

「……お願いします」

そして、ジークリンデにお粥を食べさせ、薬を飲ませた。
しばらくすると、薬が効きたようで寝息をたて始めた。

-side end-

-side 悠莉-

「とまあそんなわけで友達を私の部屋で寝かせてる。目が覚めたら一応診てやってくれない?」

「ええ、わかったわ」

陽が傾きだすと、仕事を終えた姉さんたちが次々と帰ってきた。
玄関にある見慣れないシューズを見て疑問に思っていたので昼間のことを伝え、シャマルにジークの診察を頼んだ。

「いやー、びっくりした。悠莉の部屋に見知らん女の子が寝とんやもんな」

「仕方ないでしょ、布団引くより早かったんだから」

……でも、よくよく考えたらジークだって女の子だし、風邪だとはいえ私のベットに寝せたのは悪かったかな?

「確かにな。で、悠莉とあの子の関係は? もしかしてコレか?」

にやにや顔で小指を立てる姉さん。
周りにいるみんなも興味津々といった様子でこっちを見てくる。

「友達だって言ったでしょ。というか、人に言う前に姉さん自身が作ったらどうなのさ。そんな浮いた話を聞いてみたいんだけど」

痛いところを突かれると「うぐっ」と声を漏らす。

「そ、それはどうと!」

「……逃げたな」

「だまらっしゃい! コホン、それはそうと真面目な話、あの子の親御さんに連絡入れんでいいんか? 心配もしとられるやろうし。というかあの子の名前は?」

「名前? ……ああ、言ってなかったけ。ジークリンデ・エレミア、それがあいつの名前で、一人暮らししてるから親御さんの連絡先なんて知らん。代わりにジークの姉のような人には連絡入れといた」

「ジークリンデちゃんか。……ん? エレミアって確か……」

「ゆーりちゃん、もしかして古代ベルカのあのエレミアですかぁ!?」

「そそ。確か黒のエリミアだっけ? その一族の子孫だってさ。ついでに言うと、連絡した相手もベルカの雷帝の末裔だよ」

「雷帝…ダールグリュン。それはまた不思議なもんやなぁ、この時代にベルカの末裔が集結するんは」

さっきまでの姉さんが一変し、真面目な表
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ